執筆:北摂住まいガイド編集部/中古マンション担当ライター
中古マンションの購入経験があるライターが、自身の経験をもとに、購入までの流れや必要な準備、物件選びの注意点などを解説しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体や公的機関、金融機関などの公式情報をもとに、掲載情報の正確性を確認しています。
中古マンションの購入は、人生の中でも大きな決断のひとつです。
「とりあえず内見してみよう」という、軽い気持ちで探し始める方も多いのではないでしょうか。
物件探しは周囲の雰囲気を確認しながら複数の部屋をまわるなど体力勝負。
そのため、事前準備をせずに物件探しを始めると、時間と体力を消耗します。
また、決め手に迷ってしまうと、考えているうちに意中の物件を買い逃してしまうこともあります。
そのため、事前準備がとても重要になってくるんです。
そこで今回は、筆者の経験を踏まえながら、中古マンション探しを始める前に整理しておきたいポイントを解説します。
【この記事でわかること】
中古マンションを購入する際に確認したい失敗しないための6つのポイントを解説します。
✓中古マンション探しの方向性を定める
✓間取り・広さは暮らし方から「逆算」する
✓中古マンションの築年数は価格・管理状態がポイント
✓購入条件の優先順位のつけ方とスケジュールの立て方
中古マンション探しの方向性を定める

物件探しで後悔しないために、事前準備として固めておきたいのが、中古マンション探しの方向性です。
方向性のポイントは「なぜ」「何のために」という、たったふたつだけ。
このふたつが、中古マンション購入を決める際の「軸」となるのです。
「なぜ買うのか」で選ぶ基準は変わる:購入目的の整理法
まず考えたいのは、中古マンションを購入する目的です。
検討中のみなさんは、次のうちどれが当てはまるでしょうか。
- 家族で長く住む家を探している
- 将来的に売却や賃貸も視野に入れている
- 子育てのしやすい環境に引っ越したい
- 通勤や通学の利便性を高めたい
中古マンション購入のきっかけはさまざまです。
「持ち家が欲しい」という漠然とした気持ちから始まることもあるでしょう。
ただ、それだけで進めてしまうと、思っていた暮らしと違ったと後悔することも少なくありません。
私の場合は、将来の売却も視野に入れて中古マンションを探しました。
なぜなら、子供が成人したあと、望ましい条件が変化すると想定したからです。
そこで駅からの距離を重視しました。
さらに周辺の再開発計画も資産価値に関わるためチェックしました。
一方、長く住み続けることを前提にする場合はどうでしょうか。
駅から多少遠くても築年数が浅いほうがメリットだと感じるかもしれません。
また、室内が多少傷んでいても気にならない方もいるはずです。
自分好みにリフォームすることも楽しみのひとつ、という考え方もあるからです。
家族の中でも、購入目的の捉え方は微妙に違うものです。
そこで、あとで後悔しないように、家族で話し合ってみることも一案です。
その際、ノートやスマホのメモアプリに希望条件を書き出しておくこと。
あとで意見が衝突したときにも、見返しやすいので便利です。
エリア選びのコツ:「譲れない場所」と「候補地」に分ける
次に、事前に整理しておきたいのが、中古マンションの購入を希望するエリアの決め方です。
実は、エリアの選定は、「何のために」引っ越しをするのか、という視点と密接に結びついています。
そこで、エリアを選ぶ際の観点を、いくつかご紹介しましょう。
- 通勤・通学を楽にしたい→徒歩、自転車・電車・バスなどの交通手段はどうか?
- 周辺の生活環境を充実させたい→スーパー、病院、役所などは近くにあるか?
- 治安や街の雰囲気のいいところで暮らしたい→住宅街か繁華街か?子育て世代が多いか?
- 将来、よりよい条件で売却して利益を得たい→地価の上昇傾向や将来の開発計画などはどうか?
もうひとつ大切なのは、物件探しの範囲です。
希望のエリアが広すぎるとなかなか中古マンションを絞り込めません。
一方、反対に絞りすぎると条件に合う物件が見つかりにくくなります。
そこで、ふたつの優先度を事前に決めておくとよいでしょう。
- どうしても外せないエリア
- 条件次第では検討できる周辺エリア
可能であれば、内見前に候補のエリアを実際に歩いてみることもおすすめです。
私は時間帯を変えて訪れ、平日の昼間と夜、休日の様子を比べてみました。
すると、人通りの多さや騒がしさなど、ずいぶんと印象が異なることに気づきました。
思いのほか坂が多い、買い物に困りそうなど、実際に暮らすには躊躇するエリアも意外と多かったんです。
その結果、いくつかのエリアは、最初はよさげに思えていたものの、候補から完全に外れました。
物件探しの時間と労力を減らすことで、購入の可能性の高いマンションをしっかり内見できたので効率的でした。
なお、崖地や河川などの近くの場合は、ハザードマップを合わせて確認しておくこともおすすめです。
水害や地盤のリスクも把握でき、購入後に後悔するリスクをより減らせますよ。
将来的な売却も視野に入れている方は、住みやすさに加えて、資産価値に関わる条件も確認しておきましょう。
中古マンションの資産価値を左右するポイントでは、物件の条件・管理状態・エリアの需要という3つの視点から解説しています。
間取り・広さは暮らし方から「逆算」する

中古マンション探しの方向性が固まったら、次は暮らし方をイメージしましょう。
失敗しないためにとくに重要なのが、間取りや広さの判断基準です。
今の家族構成に必要な部屋数・広さを洗い出す
住まいに必要な間取りは、家族構成によって大きく変わります。
子供の年齢、人数、夫婦の働き方、両親の年齢や生活状況などにより、必要な広さや部屋数は異なってきます。
とはいえ、将来については、不確定な要素も少なくありません。
そこでまずは、現在の家族構成を基準に、最低限必要な部屋数と広さを検討しましょう。
- 子ども部屋は何人分必要か
- 夫婦それぞれの個室は欲しいのか
- 荷物を置く専用の部屋は必要か
ポイントは、家族の生活スタイルまで踏み込んで考えることです。
ちなみに私は在宅で仕事をしています。
しかし、今は独立した部屋がないため、Web会議の際は子どもの部屋を借りています。
小さな部屋でいいので、パソコンが置ける空間があればなぁ、と後悔しました。
また、現在は実家で暮らす親との同居を考えている場合は、もう一部屋必要になりますよね。
一方で、子供が自立するたびに、空いている部屋が増えていきます。
夫婦ふたり暮らしになったとき、広い部屋は掃除が大変というデメリットに変化してしまいます。
また、平米数に応じて、固定資産税や修繕・維持費が高額になることも、念頭に置いておく必要がありますよね。
そこで、長く住むことが前提であれば、将来の生活をあらかじめイメージしておくことも不可欠です。
大切にするのは、「今」なのか?それとも、「数年後」、はたまた「数十年後」なのか?
これは、各々の価値観になりますが、事前に話し合っておくだけで、中古マンション購入後に後悔する確率がぐっと減ると思います。
収納スペースの見落としに注意!必需品リストの作り方
もうひとつ見落としがちなのが、収納スペースの問題です。
季節家電、アウトドア用品、子どもの学用品など、暮らしているうちに「もの」は増えていくものです。
そのため、間取りや広さが希望通りであっても、収納が少ないことにより、手狭に感じるようになることもあります。
中古マンションは、これまで住んでいた人のこだわりから、創意工夫に満ちた収納リフォーム歴があることも少なくありません。
なかには、壁の上方やデッドスペースをフル活用し、間取りに固有の制約をうまいこと解決している部屋もありました。
一方、昔ながらの押し入れのままであったり、奥行きがほとんどないクローゼットを、無理やり作っている部屋もありました。
内見の段階では部屋は空っぽです。
そのため、実際よりも広く感じてしまう傾向があります。
そこで事前に、以下のように、自分たちにとっての必需品をリストアップすることがおすすめです。
今持っているものの量
- 洋服、靴、カバンなどの数
- 家電、机、ソファなどの数とサイズ
- 趣味やコレクションに関わるものの量
- 大きな家具・家電の量とサイズ
これから増えるものの量
- 子どもの予定、在宅勤務、趣味などによって必要になるもの
- 将来的に購入したい家具・家電
- それ以外に、増える可能性があるもの
これらを把握しておくことで、「どこに」「何を」「どれだけ」入れられるのか、想像しながら物件の良し悪しを判断できます。
それだけでも、実際に暮らし始めてからのギャップをぐっと減らせますよ。
収納や家具の配置など、実際の暮らしをイメージしながら物件を確認したい方は、中古マンションの内見時のチェックポイントも参考にしてください。
室内・共用部分で見るべき場所や、担当者への質問事項を紹介しています。
中古マンションの築年数は価格・管理状態がポイント

中古マンションを検討する際、築年数を気にされる方は多いのではないでしょうか。
できることなら新築がいい、けれど、予算の都合で中古にした、という方もいらっしゃるでしょう。
もちろん築年数は、中古マンションを購入する際の、重要な判断材料のひとつです。
ただ、それだけでその物件の良し悪しを決めるのはおすすめしません。
築年数はリフォームの費用も踏まえて判断すること
一般的に、築年数が古い物件は価格を抑えて購入できる傾向があります。
駅チカの利便性が極めて高い立地でも、手の届く物件が見つかることがあるのが、中古マンションの魅力です。
その分、リフォームやリノベーションを前提に予算を組む必要は生じやすいことは、念頭に置いておきましょう。
その際、事前に検討しておきたいことは以下のことです。
- 自分たちでリフォームするのか、最小限の手直しだけで入居したいのか
- 水回りや浴室などの設備は最新がいいのか、旧式でも気にならないか
- 畳の部屋はそのままでいいのか、フローリングにしたいのか
- 何年、その中古マンションに住む予定なのかリスト
こうした視点から許容できる築年数を考えておきます。
例えばこのような感じです。
- あくまで築10年以内にこだわる
- 築古でもリフォーム前提なら検討する
- すぐに引っ越しできる状態の部屋を希望する
- 多少の劣化があっても価格の安さを重視する
傾向としては、利便性の高い中古マンションは、その立地に価値があるため、現状引き渡しというケースも少なくありません。
一方、人気のない、あるいは不便なエリアは、立地的なマイナスをカバーするため、販売前に徹底的にフルリフォームしている傾向があります。
どちらがいいのかはその人ごとの価値観により変わります。
そこで、自分たちの希望を決めておくだけで、内見する中古マンションを絞り込みやすくなるでしょう。
なお、不動産会社の担当者は、個人差はありますが、リフォームについての知識が比較的豊富です。
リフォーム前提で、中古マンションを安く購入したい人は、リフォームに詳しい営業担当を指名することも一案です。
築年数とあわせて改修費用を検討するなら、希望する工事ができる物件かを購入前に確かめることも大切です。工事範囲や管理規約の確認点は関連記事をご覧ください。

築浅=安心?事前に見るべきは管理状態
中古マンションによっては、築50年近いことも珍しくありません。
建物が古いと、地震や台風のときなど、心配は尽きませんよね。
ただ、本当に大事なポイントは、築年数より、その物件の管理状態です。
実は私自身も、当初は「築浅」を重視していました。
ただ、実際に複数の物件を比較してみると、築年数は意外と当てにならないことに気づいたんです。
例えば、崖地に建っていると湿気による劣化が激しい傾向があります。
海が近いと、潮風で窓やドアがボロボロ、ということもありました。
また、共用スペースの管理が行き届いておらず、実際の築年数の倍の印象を受けることもありました。
だからこそ、こだわるのは築浅なのか、管理状態なのかも、事前に決めておくことも大切です。
管理状態を重視するなら、内見の際に以下も必ず確認しておきましょう。
- 周囲の環境(風の通りがいいか、海、山、崖などが近くにあるか)
- エントランス(清掃、掲示板、ポストの破損の有無など)
- 廊下や階段(壁のヒビ、ゴミ、照明、手すりの破損など)
- ゴミ置き場(分別、臭い、害虫対策など)
- 駐車場や駐輪場(舗装や設備の痛み具合など)
- 建物の外壁・共用部分(サビ、雨漏りの跡、防水対策など)
可能であれば、管理組合の議事録や長期修繕計画書を事前に見せてもらうといいでしょう。
内見の段階では見れませんが、購入に至るまでの最終段階なら、基本的に確認できます。
数字の裏付けをもって判断でき、より納得感のある選択につながります。
共用部分の様子に加えて、長期修繕計画や修繕積立金なども確認しておきましょう。
詳しい確認方法は、中古マンションの管理状態を確認する方法で紹介しています。
また、希望する築年数を考える際は、建物の構造や法定耐用年数の意味も押さえておくと判断しやすくなります。
中古マンションの構造と寿命では、法定耐用年数と実際の建物の寿命の違いを解説しています。
購入条件の優先順位のつけ方とスケジュールの立て方

物件の方向性・間取り・築年数などの希望が固まってきたら、最後に、条件の絞り込み方と時期を整理しましょう。
そうすることで、物件探し、および、その後の引っ越しがぐっとスムーズになります。
条件は「絶対」と「妥協可」に仕分けする
すべての希望条件に合う物件を見つけるのは簡単ではありません。
条件が多くなるほど理想に完全に合う物件は見つかりにくくなります。
あとで後悔しないために大切になるのが、購入したい中古マンションの条件の仕分けです。
ポイントは、「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けること。
例えば、みなさんは通勤時間と部屋の広さの優先度を、どのように捉えるでしょうか。
このふたつを同時に実現するのは、意外と難しいんです。
通勤に便利な立地の場合、駅チカになることが多いですよね。
ただ、駅チカの場合は、中古マンションであっても、部屋が狭くなる傾向があります。
部屋の広さと利便性を両立させる場合、購入金額が跳ね上がる確率はかなり高まります。
そうなると、生活の質を下げざるをえなくなりますので、本当にそれでいいのか?と問い直すことも必要です。
そこで、次のように、優先度を分けてみることをおすすめします。
- 通勤時間は30分以内にしたい(必須)
- 部屋は広いほうがいい(妥協可)
ただし、家族で暮らすための中古マンション探しの場合はより注意が必要です。
住まいを快適にしたいのか、通勤や通学を楽にしたいのか、一人ひとりが重視するポイントは異なるもの。
誰か一人の希望だけを優先すると、後から別の人に過剰な負担がかかることもあります。
そうした失敗や後悔を防ぐためにも、「子供優先」「大人優先」「妻もしくは夫優先」などの条件も整理しておきましょう。
立地に関する優先順位を決める際は、交通アクセスや買い物環境などを、毎日の暮らしに照らして比較してみましょう。
具体的な確認事項は、中古マンションの立地・周辺環境の選び方で紹介しています。
購入スケジュールは入居希望時期から逆算
最後に、購入や入居の希望時期について事前に考えておくことも大切です。
時期の希望によって、物件探しの進め方は変わってくるからです。
- 子どもの入学に合わせて引っ越したい
- 現在の賃貸契約の更新時期を考慮したい
- 転勤などのタイミングに合わせたい
こうした事情がある場合は、逆算してスケジュールを立てないと、あとで後悔することになります。
中古マンションは新築のように引き渡し時期が一律ではありません。
売主が居住中の場合は入居可能な時期が半年以上先、ということもあります。
また、住宅ローンを組む場合は、審査の状況によっては1か月を超えることも想定しておきましょう。
(あくまで目安であり、金融機関やローンの種類によって差があります)
筆者の経験ですが、現金一括購入の場合は、引き渡しまで最短2週間程度で済んだケースもあります。
ただし、売主が遠方に住んでいる場合は、その限りではありません。
書類などを郵送でやりとりするため、余分な時間がかかることがあるからです。
そのため時期を決めずに探し始めると、予期せぬ「遅延」で後悔することに…。
子供の進学や転勤に間に合わないといった影響が出ると、困ってしまいますよね。
明確な期限がある場合は、逆算してスケジュールを立て、最終期限を設けること。
決め手となる物件が見つからない場合は、期間限定で賃貸マンションに切り替え、引っ越し後に改めて探すことも、悪い選択ではありません。
購入スケジュールを立てる際は、気に入った物件が見つかってから契約までの手順も把握しておきましょう。
中古マンションの購入申し込みから売買契約まででは、購入申込書の記載内容や、契約前に確認したいことを解説しています。
また、契約後の手続きや引っ越し準備も含めて、入居までの予定を考えておくことが大切です。
中古マンションの引き渡し・入居準備では、契約後から入居までに必要な手続きを紹介しています。
まとめ
今回は、中古マンションを購入する前に整理しておきたいポイントを、4つのテーマ・6つの視点に分けてご紹介しました。
- 物件探しの方向性を定める
- 暮らし方に合わせて間取りを具体化する
- 築年数への向き合い方を考える
- 条件に優先順位をつけてスケジュールを立てる
これらを事前に整理しておくことで、物件探しの軸のぶれが防げ、比較検討もスムーズに進めやすくなります。
もちろん、すべてを完璧に決めてから始める必要はありませんし、基準がぶれたからと言って、中古マンション購入に失敗するとも限りません。
とはいえ、物件探しの途中で迷ったときにも、自分たちの希望に立ち戻りやすくなるメリットがあります。
ですので、希望に沿った物件を得るため、大まかな方向性を持っておくことは大切です。
まずは今回ご紹介したポイントを参考に、自分たちの希望を少しずつ言葉にしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
事前に整理した希望条件を、実際の物件選びにどう活かすか迷ったら、中古マンションの選び方と9つの確認ポイントも参考にしてください。
立地や築年数、管理状態など、候補の物件を比較する際のポイントを紹介しています。
購入前の準備ができたら、その後の手続きも確認しておきましょう。
中古マンション購入までの流れでは、物件探しから購入申し込み、売買契約、引き渡しまでの全体像を紹介しています。
北摂エリアで中古マンションを探している方へ
中古マンションの購入では、物件そのものだけでなく、周辺の住環境や交通アクセス、買い物環境なども重要な検討ポイントです。
北摂エリアで住まいを探している方は、各市や駅周辺の特徴も参考にしてみてください。


