中古マンションの購入申し込みから売買契約まで | 流れと注意点を解説

中古マンション購入申込から売買契約

執筆:北摂住まいガイド編集部/中古マンション担当ライター
中古マンションの購入経験があるライターが、自身の経験をもとに、購入までの流れや必要な準備、物件選びの注意点などを解説しています。

監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体や公的機関、金融機関などの公式情報をもとに、掲載情報の正確性を確認しています。

気に入った中古マンションが見つかると、次に待っているのが「購入申し込み」です。
でも、購入申し込みがそのまま契約になるのか、それとも別のものなのか、迷う方は多いのではないでしょうか。

中古マンションの購入は大きな買い物です。
そのため、どこまで条件を固めて申し込むべきか、私も物件を検討した際に迷いました。

価格交渉はしていいのか?
申込証拠金や手付金はいつ・いくら必要なのか?
契約当日は何を準備すればいいのか?

分からないまま進めると、あとで後悔することにもなりかねません。

この記事では、購入申し込みから売買契約が成立するまでの流れを時系列で整理します。
そして、各段階で確認しておきたいポイントをお伝えします。

読み終わるころには、「自分の場合は次に何を確認すればいいのか」が見えていれば幸いです。

【この記事で分かること】
この記事では、中古マンションの購入申し込みから売買契約までの流れと、各段階で確認したいことを紹介します。

✓ 購入申込書の役割と記載する条件
✓ 価格交渉の進め方と注意点
✓ 申込証拠金・手付金・頭金の違い
✓ 重要事項説明と契約解除条件の確認点

目次

購入申し込みから売買契約までの流れ

契約手続き

購入申し込みとは何か、売買契約と何が違うのか

購入申し込みは「この条件でこの物件を買いたい」という意思表示です。
つまり、売買契約そのものではありません。

なぜなら、購入申し込みの段階では、価格や引き渡し時期などの条件が、まだ確定していないことが多いためです。

私の場合、具体的には以下のような展開に遭遇しました。

✓希望者殺到により購入申し込みが早々に締め切られる
✓購入申し込みが入ったことを理由に内見の予約を取り消される
✓購入申し込みはできたものの複数人のライバルがいる

購入申し込みが入ったことを理由に内見を断られたものの、申込者が住宅ローンの事前審査に落ち、再度、内見可能になったこともあります。

このように、未確定要素が多いものの、人気物件は早めの決断が必要になる傾向があります。

注意点として、購入申し込みは先着順とは限らないことです。
売主の事情や他の希望者の存在によって、一番手だったのに話が進まなくなるケースもあります。

そのため、気になる物件が見つかったら、条件を整理したうえで早めに申し込みを検討しておくと安心です。

申し込みから契約成立までの時系列

一般的な流れは、次のような順番で進みます。

  1. まず、購入申込書を不動産会社に提出する
  2. 申込書の内容をもとに、価格や引き渡し時期などの条件を売主側とすり合わせる
  3. 条件がまとまったら、住宅ローンを利用する場合は事前審査を進める
  4. 契約日を決める
  5. 宅地建物取引士による重要事項説明を受ける
  6. 売買契約を締結する

ただし、この順番や日数は不動産会社や物件によって前後することがあります。
私の場合、売主が高齢で、かつ遠方に引っ越していたケースがありました。

そのため書類のやりとりに郵送が混じり、時間を要しました。
さらに、売主の親族に不幸があったことで、連絡が取れなくなることもありました。

無事、完了したとはいえ、かなり不安にはなりました。
そういうこともあるので、次にどのステップに進むのか、不動産会社にそのつど確認しておくと、流れを見失わずに進められると思います。

購入申込書の役割と記載内容

契約書

購入申込書に記載する主な項目

購入申込書には、希望購入価格、引き渡し希望時期、住宅ローンを利用する予定があるかどうか、手付金の目安などを記載するのが一般的です。

こうした項目は、「本気度」そして「条件」の意思表示でもあります。

  • 希望価格を売出価格より低く記載→価格交渉の申し出
  • 条件を記載せずに提出→売主側の条件を受け入れたと判断

希望価格や引き渡し時期などを空欄にすると、自分の希望が売主に伝わらず、後から条件の認識が食い違う可能性があります。

購入申込書の提出だけで、通常は売買契約が成立するわけではありません。ただし、申込書は条件交渉の出発点になるため、希望と確認事項を整理して記載しましょう。

そのため、軽い気持ちで記載すると、後の交渉がやりにくくなります。
そこで、おすすめなのは、申込書を書く前に条件を整理することです。

✓自分の希望価格とその根拠
✓住宅ローンの利用予定

それを確定しておくだけでも、スムーズに購入申し込みに進めると思います。

申込書を提出した後にできること・できないこと

購入申込書を提出した後でも、契約前であれば申し込みを取り下げること自体は可能です。
ただし、例外もあります。

申込証拠金を預けるよう求められたら、預け先、領収書または預り証、契約に至らなかった場合の返還方法、契約時に手付金へ充当するかを確認しましょう。
(宅地建物取引業者が受領した申込証拠金などの預り金について、申し込みの撤回を理由に返還を拒むことは禁止されています。)

また、他に希望者がいる状況で申し込みを取り下げると、同じ物件に再度申し込みたくなったときに、不利になる可能性もあります。

このように、購入申込書は「気軽に出して、取り下げられるもの」ではありません。
ある程度の責任をもって提出するものと考えておくことが大前提です。

価格交渉できるケースとタイミング

通話中

価格交渉の余地がある物件・ない物件の見分け方

結論として、価格交渉は必ずできるものではありません。物件の状況によって余地があるかどうかが変わってきます。

なぜなら、売主にも、それぞれの事情があるためです。

  • 値下げ交渉を受け入れて早く売りたい
  • 多少時間がかかっても希望価格で売りたい
  • 売れなくてもいいので、高めの価格で儲けを重視する

周辺相場や物件の状態、売り出し期間などから、何となくわかることもあります。
とはいえ、売れづらい物件だろうと、あまり値下げにこだわると、交渉が決裂することもあります。

そのため、根拠のある希望価格を提示することが大切です。
その上で、参考になった判断材料をまとめます。

価格交渉が難しい例

✓値下げをした直後の物件
✓売出期間が短い物件
✓価格に強気な売主の物件(投資目的など)

価格交渉がうまくいきやすい例

✓段階的に値下げが行われている物件
✓不動産会社の直接販売物件
✓売主が儲けにそこまで拘っていない物件

ただし、これらはあくまで一つの傾向です。すべての物件に当てはまるわけではありません。

希望価格の根拠を整理する際は、中古マンションの相場・適正価格の調べ方も参考にしてください。
過去の取引価格を調べる方法や、似た条件の物件と比較するときのポイントを紹介しています。

希望価格を伝えるタイミングと伝え方

価格交渉は、購入申込書を提出するタイミングで、希望価格を記載することが一般的です。ただし、申し込む前に、不動産会社を通じて軽く交渉することも可能です。

不動産会社を間に入れる場合、さまざまな形で駆け引きが発生します。

価格交渉を担当者に任せる場合も、希望額を伝えるだけで終わらせず、その金額を提案する根拠や売主からの回答を確認しましょう。助言に納得できないときは、周辺の成約事例や物件の状態を踏まえて、判断理由を聞くことが大切です。

以前、私は値下げ交渉をしたものの失敗。
その物件は諦めましたが、数ヶ月後に同じ価格で売れていました。
売主の、値下げをしないという判断は正解だったというわけです。

ただ、売主の状況によって、値下げ交渉が成功することもあります。

  • 引っ越しを控えている
  • 相続が絡んでいる
  • 早く現金化したい事情がある

不動産会社に「探り」を入れることで、希望価格を伝えるタイミングを検討できることもあります。

いずれにせよ、タイミングが遅くなるほど、他の希望者が先に決まってしまう可能性も高まります。
検討が固まった段階で早めに意思表示をすることは、望ましいと言えるでしょう。

一方で、あまりに一方的な値下げ要求は、売主の心証を悪くします。

希望価格のみならず、購入への前向きな姿勢や引き渡し時期の柔軟さなどもアピールしましょう。
売主にとってのメリットも伝えられると、交渉がスムーズに進みやすくなります。

申込証拠金・手付金・頭金の違い

それぞれの意味と支払うタイミング

申込証拠金・手付金・頭金は、いずれも物件購入に関わるお金ですが、役割や支払うタイミングが異なります。

✓申込証拠金:
購入申し込みの際に「本気度」を示すために預けるお金。
契約に至らなかった場合は返還されるのが一般的。取り扱いは不動産会社によって異なる。

✓手付金:
売買契約を締結する際に買主から売主へ支払うお金。
契約の成立を示すとともに、契約解除の際にも関わる。

✓頭金:
物件の購入代金のうち、住宅ローンを利用せずに自己資金で支払う部分を指す。

これらの違いを理解しておかないと、契約時に必要な資金を把握できません。
また、返金や契約解除の条件を誤解したりする可能性があります。

混同しやすいポイントの整理

特に注意したいのが、申込証拠金と手付金の違いです。

申込証拠金は、購入申し込みの段階で預けるお金で、売買契約が成立した際の手付金とは別のものです。
ただし、契約締結時に申込証拠金を手付金の一部に充当するケースもあります。

実は、私は若い頃、このふたつを混同して、契約時に必要な金額を見誤った経験があります。
契約に至らなかった場合、契約解除時のお金の扱いを誤解してしまうこともあるでしょう。

また、申込証拠金の返還条件や手付金への充当方法などは、取引の内容や不動産会社の取り扱いによって異なります。

そのため、申込証拠金と手付金の金額や取り扱いについては、購入申し込みや売買契約の前に、不動産会社へ確認しておくことが大切です。

契約時に用意する手付金だけでなく、購入全体に必要なお金も整理しておきましょう。
中古マンションの購入予算と頭金・諸費用の考え方では、実際にかかった金額や支払い時期を交えて解説しています。

重要事項説明と売買契約当日の流れ

重要事項説明で確認する内容

売買契約の前に必ず行われることが重要事項説明です。
宅地建物取引士が、重要事項説明書を交付し、説明を行うこと。

宅地建物取引業法で義務付けられているので、スキップされることはありません。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「不動産用語集 – 不動産業務に役立つ基礎知識」

重要事項説明では、物件の権利関係や法令上の制限、管理に関する事項など、購入後に影響する重要な情報が説明されます。

説明を受ける前に、中古マンションの重要事項説明書で確認したいポイントにも目を通しておきましょう。
権利関係や法令上の制限など、契約前に確認する項目を整理できます。

契約当日の流れと持ち物

契約当日は、重要事項説明を受けたあと、そのまま売買契約の締結に進むことが一般的です。
持ち物としては、概ね以下の通りです。

✓本人確認書類
✓印鑑
✓手付金
✓住宅ローンを利用する場合はその関連書類

私は、本人確認書類の一つである住民票に、マイナンバーカードの番号を印字した状態で渡しました。
すると、記載なしの方がいいと言われ、コンビニに走ったことがあります。

必要な持ち物や準備の仕方は、不動産会社や契約内容によって異なります。
事前に持ち物は必ず確認しておくと安心です。

管理費や修繕の状況は、管理に係る重要事項調査報告書などでも確認できます。
中古マンションの契約前に確認したい書類とそれぞれの役割を参考に、必要な資料をそろえておきましょう。

契約書では、購入後に不具合が見つかった場合の責任の範囲や期間も確認しましょう。
中古マンションの瑕疵・契約不適合責任とは?では、免責特約や、売主が個人・宅建業者の場合の違いを解説しています。

住宅ローン特約と手付解除

住宅ローン特約とは何か、期限の確認が重要な理由

住宅ローン特約は、契約書で定めた融資が期限までに承認されなかった場合に、定められた条件に従って売買契約を解除できるようにするものです。契約前に、対象となる金融機関と借入額、融資承認期限、解除の期限・手続きを確認しましょう。

なぜこの特約が重要かというと、契約後に万が一ローン審査に通らなかった場合でも、買主が大きな損失を負わずに済むようにするためです。

住宅ローン特約には解除できる期限が定められているのが一般的です。
期限を過ぎてしまうと、審査に通らなかった場合でも、特約による解除ができなくなる可能性があります。

住宅ローン特約の確認とあわせて、利用する金融機関や審査の進め方も整理しておきましょう。
住宅ローンの選び方と事前審査・本審査の進め方では、金利タイプや金融機関を比較するポイントも解説しています。

手付解除ができる期間とできなくなる条件

手付金は、売買契約の際に買主から売主へ支払うお金です。契約で解除手付として扱う場合、一定の条件のもとで、買主は手付金を放棄し、売主は受け取った手付金の倍額を現実に提供して契約を解除できます。

  • 買主は手付金を放棄すれば、契約を解除できる
  • 売主は手付金の倍額を返せば、契約を解除できる

相手が履行に着手した後は、この方法は使えません。これを「手付解除」といいます。
何をもって「履行に着手した」とみなすかは、状況によって判断が分かれます。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「不動産のQ&A」

そのため、契約書の中で手付解除ができる期限があらかじめ定められています。

ただ、手付解除ができる条件や期限は契約内容によって異なります。
契約時に不動産会社へ具体的に確認しておくといいでしょう。

契約を急かされた、複数の申し込みがある場合の注意点

営業の説明

「今日中に」と言われたときの考え方

以前、こんな言葉をかけられたことがあります。

「今日決めないと、他の方に決まりそうです」

実際、人気のある物件では、早い判断が必要になるケースもあります。
ただし、それが事実なのか、契約を急がせるための言葉なのかは、その場では判断がつきにくいのも事実です。

私の経験ですが、「申し込みが入りそう」と言われたのに、いつまでも物件が「売却済み」にならないことがありました。

理由は不明です。
こういうこともあるので、焦って判断せず、落ち着いて自分の気持ちを確認するのが賢明です。

他の希望者がいると言われたときの受け止め方

複数の希望者がいる状況では、さまざまな要素が判断材料になります。

  • 購入希望価格はいくらか
  • どのような引き渡し条件を希望しているか
  • 住宅ローンを利用するか現金一括購入か

現金一括での購入を検討していた際、他に複数の申し込みがある状況でも、有利に話が進みました。

現金一括購入の場合、住宅ローンの審査待ちが不要になります。
その分、契約成立までの見通しが立てやすいため、有利になりやすいのです。

一方で、こうした状況説明がすべて事実とは限りません。

不動産会社によって対応の透明性は異なります。
説明に納得できない場合は、遠慮せず具体的な状況を確認する、あるいは別の不動産会社に相談することも一案です。

まとめ

購入申し込みは、売買契約そのものではありません。
条件を売主に伝えるための意思表示です。

そこから、価格交渉、住宅ローンの事前審査、重要事項説明を経て、売買契約という段階に進んでいきます。

価格交渉は、相場や物件の状態、売り出し期間などをふまえた根拠があるかどうかで、成立のしやすさが変わってきます。

申込証拠金・手付金・頭金は、それぞれ役割が異なるお金です。
住宅ローン特約や手付解除には期限や条件があることも、あわせて押さえておきたいポイントです。

そこで、私はいつも、次の3つを準備しておきます。

✓検討している物件の希望価格とその根拠
✓申込証拠金の有無や金額、住宅ローン利用予定の記載内容の確認
✓住宅ローン特約の期限と手付解除ができる期間の確認

これらを事前に整理しておくことで、契約当日になって慌てることなく、落ち着いて手続きを進められると思います。

売買契約後も、住宅ローンの本審査や決済・引き渡しなどの手続きが続きます。
次の段階に備えて、中古マンション購入の流れで、物件探しから入居までの順序を確認しておきましょう。

北摂エリアで中古マンションを探している方へ

中古マンションの購入では、物件そのものだけでなく、周辺の住環境や交通アクセス、買い物環境なども重要な検討ポイントです。

北摂エリアで住まいを探している方は、各市や駅周辺の特徴も参考にしてみてください。

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