執筆:北摂住まいガイド編集部/中古マンション担当ライター
中古マンションの購入経験があるライターが、自身の経験をもとに、購入までの流れや必要な準備、物件選びの注意点などを解説しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体や公的機関、金融機関などの公式情報をもとに、掲載情報の正確性を確認しています。
中古マンションを探しているときは、間取りや価格に意識が向いて、将来の売却までは考えにくいものです。
私も、購入したときは将来の売却についてはほとんど考えていませんでした。
購入したのは築25年ほどの物件で、当時は新しい住まいでの暮らしを考えることに気持ちが向いていたからです。
ただ、転勤や住み替え、家族構成の変化のほか、相続をきっかけに、購入したマンションを手放す可能性もあります。
永住するつもりで購入する場合でも、将来売却する可能性を考えて、購入前に確認しておきたいポイントがあります。
この記事では、中古マンションを購入するときに確認しておきたい、将来の売却しやすさに関係するポイントを紹介します。
【この記事で分かること】
中古マンションの資産価値や売却しやすさを左右する条件について、物件・管理状態・エリアの需要の3つの視点から解説します。
購入時の価格や室内のきれいさだけで判断せず、将来の売却も見据えて確認しておきたいポイントが分かります。
✓ 中古マンションの資産価値を左右する主な要素
✓ 立地・間取り・築年数など物件自体の確認ポイント
✓ 管理状態や修繕計画が資産価値に与える影響
✓ 売却しやすいエリアと中古マンション需要の見極め方
中古マンションの資産価値を考える3つの視点

中古マンションの資産価値や売却しやすさを考えるときは、次の3つに分けると整理しやすくなります。
✔物件そのものの条件
✔マンション全体の管理・修繕
✔エリアの中古マンション需要
購入する部屋だけでなく、マンション全体や周辺エリアにも目を向けてみましょう。
また、現在の販売価格と将来の売却しやすさは、分けて考えることも大切です。
今の販売価格が高いから将来も売却しやすい、あるいは安いから売りやすいと単純に判断するのではなく、物件そのものの条件や管理状態、周辺の住宅需要などを合わせて確認していきます。
将来の売却しやすさとあわせて、現在の購入価格が周辺相場と比べて妥当かも確認しておきましょう。
取引価格の調べ方や類似物件との比較方法は、中古マンションの相場・適正価格の調べ方で解説しています。
視点①:物件そのものの条件
まず確認したいのが、購入する部屋そのものの条件です。
駅からの距離や交通アクセス
駅からの距離は、中古マンションを選ぶときに確認しておきたいポイントの一つです。
私自身、中古マンションを探したときは実家の近くという条件で探したため、候補になったマンションは2つほどでした。
最終的に選んだのは、駅に近く、坂道のないマンションです。
毎日の移動のしやすさを優先して選びましたが、今振り返っても、この条件を重視してよかったと感じています。
駅からの距離だけでなく、駅までの道に坂があるか、歩道が整備されているか、バスなどの交通手段があるかなども確認しておきたいポイントです。
同じ「駅徒歩○分」という条件でも、実際の歩きやすさや周辺環境によって印象は変わります。
こうした住みやすさに関する条件は、将来の売却時に購入希望者が物件を選ぶ際の判断材料になる可能性があります。
築年数や耐震基準
築年数も、購入前に確認しておきたいポイントです。
私が購入した中古マンションも築25年ほどの物件でした。当時は将来売却することまで考えておらず、築年数よりも自分たちが暮らしやすいかどうかを重視していました。
築年数が経過すると、建物や設備の経年劣化が進むため、購入希望者が物件の状態を気にすることもあります。
また、旧耐震基準のマンションは、耐震性を重視する購入希望者から選ばれにくくなる可能性があります。
築年数だけで判断するのではなく、建物の状態や耐震基準なども合わせて確認しましょう。
耐震基準を確認するときは、築年月に加えて建築確認日も確かめましょう。
旧耐震・新耐震の違いと確認方法では、区分の考え方や、購入前に確認したい耐震診断・補強の資料を解説しています。
専有面積や間取り
専有面積や間取りも、将来の売却を考えるうえで確認しておきたい条件です。
極端に狭い間取りや特殊な間取りは、購入を希望する人が限られる可能性があります。
たとえば、単身者には使いやすくても、家族で暮らすには部屋数が足りないなど、生活する人によって評価が分かれることがあります。
購入するときは、単に「広いか狭いか」だけでなく、どのような人がこの物件を購入したいと思うのかという視点で考えてみましょう。
階数・方角・眺望など
同じマンションでも、階数や方角、眺望などによって住み心地は変わります。
日当たりや眺望を重視する人もいれば、階段の利用を考えて低層階を希望する人もいます。
そのため、マンション全体の条件だけでなく、購入する部屋そのものの条件も確認しておきましょう。
内覧するときは、日当たりや眺望だけでなく、前面に建物が建つ可能性や周辺の音なども確認しておくと安心です。
所有権や借地権などの権利関係
中古マンションには所有権の物件だけでなく、借地権などが設定されている物件もあります。
借地権の場合は、土地を所有している物件とは異なり、地代や契約期間など確認しておきたい事項があります。
購入希望者にとっても所有権とは異なる条件を確認する必要があるため、物件によっては購入を検討する人が限られることがあります。
購入前には、物件の広告だけで判断せず、重要事項説明書などで権利関係を確認しておきましょう。
また、旧耐震基準や、極端に狭い住戸などは、購入希望者だけでなく、利用できる住宅ローンの条件に影響する場合もあります。
住宅ローンにはそれぞれ利用条件があるため、購入時には利用を予定している住宅ローンの条件も確認しておきましょう。
将来の売却しやすさに加えて、自分たちの暮らしに合う物件かも確認しておきたいところです。
立地や築年数、間取りなどを総合的に比較したい方は、中古マンションの選び方と9つの確認ポイントも参考にしてください。
視点②:マンション全体の管理・修繕も確認する

中古マンションの資産価値を考えるうえでは、室内だけでなく、建物全体の管理状態も重要です。
室内がきれいにリフォームされていても、共用部分の手入れや必要な修繕が適切に行われているとは限りません。
マンションを売却する際は、管理費や修繕積立金、修繕の実施状況なども購入希望者が確認する情報になります。
管理や修繕に不安があるマンションは、購入後の負担を懸念され、売却時の評価に影響する可能性があります。
将来の売却しやすさも考え、建物全体が適切に維持されているかを購入前に確認しておきましょう。
修繕積立金や長期修繕計画
修繕積立金は、現在の月額だけで判断せず、将来の修繕に必要な費用が計画的に準備されているかを見ることが大切です。
積立金が不足している場合は、購入後に月額が値上げされたり、一時金の負担を求められたりする可能性があります。
こうした将来の負担は、自分が暮らす間だけでなく、売却時に購入希望者が判断する材料にもなります。
国土交通省の「マンション管理計画認定制度」でも、長期修繕計画や修繕積立金は、管理状況を判断するための項目に含まれています。
総戸数も確認する
総戸数は、マンションの管理や修繕を考えるうえで確認しておきたい項目の一つです。
戸数が少ないマンションでは、修繕費用を負担する世帯が限られるため、1戸あたりの負担が大きくなる場合があります。
ただし、総戸数が多ければ、必ず管理状態が良いとは限りません。
修繕積立金の状況や長期修繕計画、管理組合の運営状況なども合わせて確認することが大切です。
管理者の経験から一言
私が中古マンションを購入した際は、総戸数50戸以上を一つの目安にして物件を探しました。
不動産会社から、総戸数が少ないマンションでは修繕積立金が集まりにくく、将来の値上げや一時金の負担が大きくなる場合があると聞いたためです。
実際に物件を比較するときも、毎月の修繕積立金が安いかどうかだけでなく、将来の修繕費を無理なく確保できる規模かを意識しました。
すべての方に50戸以上のマンションが適しているとは限りませんが、管理や修繕の安定性を重視する方は、総戸数50戸以上を物件選びの目安にするのも一つの方法です。
もちろん、総戸数だけで管理状態の良し悪しを判断することはできません。
しかし、物件を選ぶ際は、購入時の管理費や修繕積立金の安さだけでなく、長期修繕計画や今後の値上げ予定なども確認しておくことをおすすめします。
修繕積立金や長期修繕計画について、どの書類を見て何を確かめればよいかは、中古マンションの管理状態を確認する方法で解説しています。
視点③:エリアの中古マンション需要も確認する

物件やマンションそのものだけでなく、その地域で中古マンションを購入したい人がいるかという視点も大切です。
将来売却することを考えるなら、「このマンションがある地域で、これからも住宅を探す人がいるのか」という視点で周辺環境を見てみましょう。
人口や世帯数の変化を見る
人口や世帯数の変化は、その地域の住宅需要を考える材料になります。
総人口や世帯数、年齢構成については自治体の統計ページなどで確認し、転入・転出の傾向については、総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告」も参考にしてみましょう。
人口を見るときは、総人口だけでなく、世帯数や年齢構成、転入・転出の傾向にも目を向けます。
たとえば、人口が減少している地域でも、駅周辺など特定の地域では住宅需要が保たれていることがあります。
反対に、地域全体の人口だけを見て、将来のマンション需要を判断することもできません。
購入を検討しているマンションから駅や生活施設までの距離、周辺の住宅供給なども合わせて見ることが大切です。
人口や世帯数の変化は、将来のマンション価格を予測するためだけに見るのではなく、その地域でどのような住宅需要があるのかを考える材料として活用しましょう。
再開発や交通環境の変化
駅周辺の再開発や交通環境の整備なども、地域の住環境に関係します。
購入前には、自治体などが公表している都市計画や再開発に関する情報を確認してみましょう。
このとき注意したいのが、「再開発の計画がある」ことと、「実際に整備が進んでいる」ことは同じではないという点です。
計画段階なのか、事業が決定しているのか、すでに工事が進んでいるのかなど、現在の状況を確認しましょう。
また、再開発が予定されていることだけで将来の価格を判断するのではなく、どのような施設や交通環境が整備されるのかを見ることも大切です。
周辺の中古マンションと比較する
同じエリアで中古マンションを探す人は、複数の物件を比較して購入を決めることがあります。
そのため、購入を検討しているマンションだけでなく、周辺で売り出されている物件も見てみましょう。
築年数、駅距離、専有面積、間取りなどが近い物件と比較すると、購入を検討しているマンションの特徴が分かりやすくなります。
たとえば、駅から同じくらいの距離に似た広さの物件が複数売り出されている場合、それぞれの価格や設備、管理状態などを比べることで、自分が検討しているマンションの特徴を考えやすくなります。
周辺の物件を確認することは、現在の販売価格を考えるときだけでなく、将来売却するときにどのような物件と比較されるのかを考える材料にもなります。
物件情報だけでは分からない室内の使いやすさや共用部分の状態は、実際に内見して比較しましょう。
確認する項目や売主・担当者への質問は、中古マンションの内見チェックポイントにまとめています。
売却しにくくなる可能性がある中古マンションの特徴

将来の売却を考えるときは、購入希望者が限られる可能性のある条件も確認しておきましょう。
たとえば、次のようなケースです。
✔駅からかなり離れている
駅近を条件に探している購入希望者の候補から外れる可能性があります。駅からの距離だけでなく、バスなどの交通手段や周辺環境も確認しましょう。
✔極端に狭い、または特殊な間取り
使い方が限られる間取りは、希望する人が少なくなる可能性があります。
✔借地権など、権利関係の確認が必要
所有権とは異なる確認事項があるため、購入前に契約内容などを確認しておきましょう。
✔管理や修繕に懸念がある
室内がきれいでも、修繕積立金や長期修繕計画など、マンション全体の管理状況が購入時の確認材料になります。
✔周辺に似た中古マンションが多い
比較対象が多くなるため、駅距離や価格、間取り、管理状態などを含めて、その物件ならではの特徴を確認しておきましょう。
これらの条件があるからといって、すぐに売却しにくいと判断するのではなく、購入希望者から見たときにどのような条件が気になるのかを考えることが大切です。
永住するつもりでも、将来の売却を考えておく
「ここに長く住むつもりだから、売却のことまで考えなくてもいい」と思うかもしれません。
実際、購入時には永住するつもりでも、転勤や住み替え、家族構成の変化などで住まいを手放すことになる可能性があります。
また、本人が売却するのではなく、相続したマンションを家族が売却するケースもあります。
そのとき、駅からの距離や間取りだけでなく、管理状態や権利関係など、購入時にはあまり気にしていなかった情報が重要になることがあります。
永住を予定している場合でも、将来手放す可能性を完全になくすことはできません。
だからこそ、購入するときから「もし将来売却することになったら」という視点を少し持っておくと、物件選びの確認項目が増えます。
まとめ|購入するときから将来の売却も考えておこう

中古マンションの資産価値や売却しやすさを考えるときは、物件そのものだけでなく、マンション全体や周辺エリアにも目を向けることが大切です。
確認したいのは、
✔物件そのものの条件
✔マンション全体の管理・修繕
✔エリアの中古マンション需要
の3つです。
将来の売却価格を正確に予測することはできません。
だからこそ、購入するときから「将来、このマンションを購入したいと思う人はどんな人だろう」という視点を持っておくと、物件選びの判断材料が増えます。
今すぐ売却する予定がなくても、転勤や住み替え、家族構成の変化、相続など、将来マンションを手放す場面が訪れる可能性はあります。
購入するときに将来の売却まで考えておくことは、住まい選びの一つの備えになります。
物件選びの確認ポイントを押さえたら、購入に向けた手続きの順序も把握しておきましょう。
物件探しから購入申し込み、売買契約、引き渡しまでの段取りは、中古マンション購入までの流れで確認できます。
北摂エリアで中古マンションを探している方へ
中古マンションの購入では、物件そのものだけでなく、周辺の住環境や交通アクセス、買い物環境なども重要な検討ポイントです。
北摂エリアで住まいを探している方は、各市や駅周辺の特徴も参考にしてみてください。


