執筆:北摂住まいガイド編集部/中古マンション担当ライター
中古マンションの売買・購入に関する記事を継続的に執筆しているライターが、購入の流れや必要な準備、物件選びのポイントなどをわかりやすく解説しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体や公的機関、金融機関などの公式情報をもとに、掲載情報の正確性を確認しています。
中古マンションを購入してからリフォーム・リノベーションする場合、購入と工事の準備を並行して進める必要があります。
いつどのタイミングで何をすべきか、流れを確認しておくことが大切です。
この記事では、中古マンションの購入時にリフォーム・リノベーションをする際の流れや、費用の考え方を解説します。購入して改修するメリット・注意点や確認すべきポイント、資金調達方法、リフォーム済み物件との違いも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
この記事では、中古マンションの購入とリフォーム・リノベーションを進める際に、準備しておきたいことを紹介します。
✓ 購入から工事・入居までの流れ
✓ 工事できる範囲と管理規約の確認点
✓ 物件価格と工事費を合わせた予算の考え方
✓ 資金調達方法とリフォーム済み物件との違い
リフォーム・リノベーションの違いとは?

リフォーム・リノベーションは、どちらも住まいに手を加える工事を指す言葉です。ただし、目的や工事規模で、以下のように使い分けられています。
| リフォーム(修復・原状回復) | リノベーション(刷新・価値向上) | |
|---|---|---|
| 概要 | 老朽化した建物を改修して価値を高める | 機能を追加して中古物件を暮らしやすい住まいに作り変える |
| 規模 | 壁紙の張り替え・設備の交換・外壁塗装の塗り替えなど限定的な改修を行う | 水道管や排水管の交換・間取りの変更の全面改修など、大規模な改修を行う |
| 設計の自由度 | 既存の構造を維持する | 構造まで変更することがある |
| 費用 | リノベーションより費用を抑えられることが多い | リフォームより費用が高額になることが多い |
リフォームとリノベーションに、工事内容を一律に分ける明確な基準はありません。一般に、設備の交換や内装の更新などをリフォーム、間取りや住まい方まで見直す大規模な改修をリノベーションと呼ぶことがあります。
ただし、マンションでは住戸内であっても、柱・梁・耐力壁などの構造部分を自由に変更できるわけではありません。名称だけで工事の可否や費用を判断せず、希望する工事の範囲を施工会社に具体的に伝えましょう。
中古マンション購入時にリフォーム・リノベーションする場合の流れ

中古マンション購入時にリフォーム・リノベーションをする場合、基本的な流れは以下の通りです。なお、契約条件や金融機関、施工会社によって、実際の順序は前後する可能性があります。
差し替え文:
売買契約やローン審査など、購入そのものの手順を先に把握したい方は、中古マンション購入までの流れも確認してください。
この記事では、その流れに工事準備をどう組み合わせるかを説明します。
STEP1:希望条件と資金計画を整理する
まず中古マンションで希望する暮らしを明確にして、譲れない条件をピックアップしましょう。
リフォーム・リノベーションする前提で、改修内容をあわせて整理します。たとえば「在宅ワーク用の部屋が欲しい」「最新システムキッチンを設置したい」などです。
そのあと希望条件を実現するためにいくら必要なのか踏まえて、物件購入費と工事費の総予算を決定します。仲介手数料や登記費用、引っ越し費用など、諸費用を含めて計算しましょう。
住宅ローンや資金の調達方法についても、あらかじめ確認しておくと安心です。
工事費とあわせて購入時に必要な現金を確認したい方は、中古マンション購入時の手付金・諸費用の支払い時期も参考にしてください。
契約時・決済時・引き渡し後に分けて、必要なお金を整理できます。
STEP2:リフォーム・リノベーション向きの物件を探して現地を確認する
不動産情報ポータルサイトや不動産会社で、リフォーム・リノベーション向きの物件を探します。並行してリフォーム会社を探しておくことがポイントです。
| 確認事項 | 概要 |
|---|---|
| 物件を探すときの確認事項 | 広さ・間取り・眺望など工事だと変更できない条件が満たされているか |
| 内見時の確認事項 | 建物の構造や工事可能範囲 |
| 物件を絞り込んだあとの確認事項 | 管理規約・修繕履歴・長期修繕計画 |
リフォーム・リノベーションを依頼する業者が決まっている場合、内見に同行してもらえば専門的な視点で確認できます。管理規約・修繕履歴・長期修繕計画は、不動産会社や管理会社を通じて開示を依頼してください。
改修を予定していても、現在の設備の状態や共用部分は購入前に確認しておきたいところです。
現地で見る項目や売主への質問は、中古マンションの内見チェックポイントで整理できます。
また、室内を希望どおりに改修できても、建物全体の修繕状況は別に確認が必要です。
長期修繕計画や修繕積立金の見方は、中古マンションの管理状態を確認する方法で紹介しています。
STEP3:工事内容と費用を具体化して購入・ローンの手続きを進める
購入したい物件が見つかったら、リフォーム会社に相談し、購入前に現地を確認してもらいましょう。現地調査には売主の承諾が必要なため、まずは不動産仲介会社に相談してください。
購入申し込みまでに、希望する工事ができそうか、費用がどの程度かかるかを確認しておくと、購入後の計画を立てやすくなります。ただし、調査できる範囲や購入手続きの日程によっては、申し込み前に詳細な見積もりが揃わない場合もあります。
工事費をローンで借りる予定なら、必要な書類と提出期限も金融機関に早めに確認しておきましょう。
また、工事の日程を調整するために、物件の引き渡しまでに必要な手続きも把握しておきたいです。
中古マンションの売買契約後から引き渡し・入居までの流れでは、住宅ローンの手続きや決済、鍵の受け取り、入居準備についてまとめています。
STEP4:売買契約後に工事の準備を進める
中古マンションの売買契約後は、リフォーム会社と工事内容や設備の仕様、金額、工期を具体的に決めていきます。購入手続きと並行して進められるよう、リフォーム会社には早めに相談しておきましょう。
工事内容が固まってきたら、見積書や設計図面などを用意してもらい、住宅ローンの本審査や工事請負契約を進めます。見積書・工事請負契約書が必要になる時期は、利用するローンによって異なるため、金融機関に確認してください。
管理組合への工事申請についても、申請者、提出期限、必要書類、承認までにかかる期間を確認します。引き渡し前から手続きを進めたい場合は、売主と管理組合に相談し、リフォーム会社と着工日を調整しましょう。
近隣住戸への工事案内が必要な場合は、案内する範囲や時期、誰が対応するかを管理規約・使用細則や管理組合の指示に沿って確認してください。
STEP5:工事を行って完成後に入居する
決済・引き渡しを終え、工事に必要な手続きが済んだら、施工会社と調整した日程で着工します。資材や設備の納期、管理組合の承認条件によって着工時期が変わるため、入居日は余裕をもって決めましょう。
リフォーム・リノベーションが終わったあとは、引き渡し前に完成検査を行います。担当者に説明を受けて、依頼書通りに仕上がっているか、不備がないかを確認するものです。不備が見つかった場合はその場で指摘して、手直しを依頼してください。
その後に問題がなければ引き渡しを受け、引っ越し・入居を進めます。引っ越しの日程は工事完了予定日を踏まえて設定しますが、工期が伸びる可能性を考えて余裕をもって計画しておくことが大切です。
なお、工事完了後(引っ越し前後)には、近隣住民へ工事が終了した旨の報告をして、引っ越しの挨拶を行いましょう。
中古マンションを購入して改修するメリット・注意点

中古マンションを購入してリフォーム・リノベーションする場合、メリットとデメリット(注意点)を確認しておくことが大切です。
| メリット | デメリット(注意点) |
|---|---|
| ①希望する立地で物件を探しやすい ②新築マンションと同じエリア・同じ広さで購入価格を抑えられる可能性がある ③間取りや内装を自分好みに変更できる ④購入前に実際の建物・周辺環境・管理状況を確認したうえで選べる ⑤必要な部分だけ改修するなど予算にあわせた計画が立てやすい | ①物件価格と工事費用を合わせた資金計画が必要 ②建物の構造や管理規約によって工事が制限される ③工事期間中はすぐに入居できない ④解体後に追加工事が必要になる可能性がある ⑤費用が想定以上に膨らむ可能性があるので、余裕を持った資金計画を立てる必要がある |
建物の構造や管理規約の制限によっては、希望した工事ができない可能性があります。物件ごとに状況は大きく異なるので、内見時や購入前の段階でリフォーム会社の意見を参考に判断することが大切です。
中古マンションのリフォーム・リノベーションで確認すべきポイント

中古マンションは、戸建と違ってすべてを自由にリフォーム・リノベーションできるわけではありません。確認しておくべき3つのポイントを紹介します。
ポイント①:中古マンションでリフォームできる範囲
中古マンションには、所有者が自由にできる専有部分と個人では変更できない共用部分があります。以下のような箇所について、工事の可否を慎重に確認しなければいけません。
✓玄関ドア
✓窓やサッシ
✓バルコニー
✓パイプスペース
✓配管
✓柱や梁、耐力壁
✓床や壁の下地
中古マンションの工事では、専有部分と共用部分の境界を確認する必要があります。窓枠・窓ガラス、玄関扉、バルコニーなどは、標準管理規約では共用部分や専用使用部分として扱われますが、実際の取り扱いは購入するマンションの規約で確認してください。
配管も、住戸内に見える部分がすべて自由に交換・移動できるとは限りません。希望する工事を図面と現地で施工会社に確認してもらい、管理組合への申請・承認が必要か調べましょう。
工事を希望する場所がどの区分に当たるか分からない場合は、マンションの専有部分・共用部分の違いも確認してください。バルコニー・窓・玄関ドア・配管の扱いと、修理・交換費用の考え方を紹介しています。
ポイント②:管理規約による工事の制限
マンションの管理規約には、リフォームに関する細かいルールが記載されています。
✓使用できる床材や遮音等級
✓工事が可能な曜日・時間帯
✓工事業者の出入りや資材の搬入方法
✓エレベーターや共用廊下の養生
✓管理組合への申請手続きの方法と期限
✓近隣住戸の承諾の必要性と対象となる範囲
✓給排水管や電気容量に関する制限
確認を怠ると、物件購入後に希望する工事ができない事態を招く可能性があります。購入前の段階で管理規約をリフォーム会社に見てもらい、希望する工事が可能か相談しましょう。
ポイント③:水回りを移動できる条件
キッチンや浴室・洗面所、トイレなどの水回りは、必ずしも自由に動かせるわけではありません。中古マンションをリフォーム・リノベーションする場合、以下のような項目を確認しておくことが大切です。
✓給排水管の位置
✓排水に必要な勾配
✓床下のスペース
✓パイプスペースとの距離
✓建物の構造
✓管理規約の制限
図面だけで判断するのは難しいので、リフォーム会社の現地調査で確認しましょう。なお、水回りを動かす工事は床や配管の工事が必要になるため、費用が大きくなりやすい点にもご注意ください。
中古マンションをリフォーム・リノベーションする際の費用の考え方

リフォーム・リノベーションの費用は、工事の内容や範囲、選ぶ設備のグレードによって大きく変わります。
工事費用の目安や物件と購入費のバランスの取り方について整理しました。
工事内容ごとの費用目安
工事の種類ごとに、おおまかな費用の目安を把握しておくことが大切です。
| 工事内容 | 費用の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 壁紙の張替え(壁紙、天井クロスなど) | 約3万円~17万円 | 全体の張替えを想定。選ぶ壁紙のグレード(量産品かハイグレードか)や、消臭・防カビ機能の有無、下地処理の必要性によって費用が変動する。 |
| 床の張り替え(フローリング張替え) | 約8万円~30万円 | マンションの管理規約で定められた遮音等級を満たす床材を選ぶ必要がある。 |
| キッチンの交換(システムキッチン、レイアウト変更含む) | 約50万円~200万円 | 壁付けから対面式への変更などで、さらに50万〜100万円ほど加わる例もある。 |
| 浴室の交換(ユニットバス、浴槽交換など) | 約100万円~150万円 | 在来工法の浴室からユニットバスへの交換は、解体を含めて100万円を超えるのが一般的とされる。 |
| 洗面台の交換(化粧台、収納など) | 約10万円~50万円 | 鏡の裏に収納があるタイプかどうか、ボウルの材質、内装張替えの有無によって価格が変わる。 |
| トイレの交換(トイレ本体、温水洗浄便座など) | 約15万円~40万円 | タンクレストイレへの変更や手洗い場新設・内装工事の有無で変動する。 |
| 間取り変更(一部の壁撤去、間仕切り新設) | 約5万円~30万円 | 壁の撤去・新設の範囲や、下地・電気工事の量で変動する。 |
| フルリノベーション(全体解体~再構築) | 約600万円~1,000万円程度 | 平米あたり10万〜20万円が目安。間取り変更の有無や施工範囲、設備のグレードで大きく変動する。 |
出典:Panasonic「マンションのリフォーム費用の相場・目安」。
※同ページに掲載された工事内容ごとの参考情報です。見積もりを比較するときは、工事範囲、設備の品番、解体・処分費、追加工事の条件まで確認しましょう。
リフォーム・リノベーションは、工事の範囲が広がるほど費用は高くなります。ただし、上記はあくまで目安なので、複数社から見積もりをとって費用や内訳を確認することが重要です。
物件購入費と工事費の予算配分
物件購入費と工事費を別々に見るのではなく、両方を合わせた総額から逆算するのがポイントです。
以下の費用を含めて資金計画を立てます。
築年数が古く安価な中古マンションなら購入費を抑えられますが、工事費が高くつくことがあります。この点を踏まえたうえで、全体の資金配分を検討してください。
工事にいくら回せるかを考える際は、毎月の返済や購入後の支出から総予算を決めることが大切です。
中古マンションの購入予算の決め方では、頭金・諸費用も含めた資金計画の考え方を紹介しています。
中古マンションをリフォーム・リノベーションする場合の資金調達方法

中古マンションをリフォーム・リノベーションする場合、物件購入費と工事費を用意する方法によって選べるローンの種類や手続きの流れが異なります。資金調達の方法と活用できる補助金・減税制度について、確認しておきましょう。
住宅ローンとリフォームローン
中古マンションを購入してリフォームする場合は、物件代金と工事費を一体型住宅ローンで借りる方法、工事費を別のリフォームローンで借りる方法、自己資金で工事費を支払う方法があります。
ローンを利用する場合は、金利や返済期間だけでなく、工事費の支払い日と融資日が合うかも確認しましょう。
借り方の比較と融資前に必要な現金は、中古マンションの諸費用・リフォーム費用は住宅ローンに組み込める?で解説しています。
工事費を自己資金で支払う場合、工事内容や住宅などが要件を満たせば、住宅ローンを利用しない改修に関する税額控除の対象となる可能性があります。利用できる制度は工事の種類と適用時期によって異なるため、契約前に国税庁などの最新情報を確認してください。
出典:国税庁「バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
金利や借入期間、工事費の支払い時期によって、適した方法が異なります。金融機関によっては工事見積書や工事請負契約書などの提出が必要になるので、物件探しと並行して早めに施工会社へ相談しましょう。
借り入れ先を検討する際は、金利だけでなく、ローンの種類や審査条件も比較しておきましょう。
住宅ローンの選び方と審査のポイントでは、金融機関を選ぶ際の確認点や、事前審査・本審査の流れを解説しています。
また、工事内容によっては、住宅ローン控除や改修に関する税額控除、固定資産税の減額を利用できることがあります。
中古マンションの減税制度と申告手続きも参考に、工事前に確認する制度を整理しておきましょう。
補助金・減税制度
省エネ・断熱・耐震・バリアフリーなど一部の工事では、補助金や減税制度が利用できる可能性があります。
ただし、要件を満たす必要があるので、以下のポイントをチェックしておきましょう。
✓工事契約や着工前の申請が必要な制度がある
✓対象となる工事や住宅には条件がある
✓予算上限に達すると受付が終了する場合がある
✓補助金と減税制度には併用できない組み合わせがある
✓国・自治体・制度の公式サイトで最新情報を確認する
補助金や減税制度は仕組みが複雑で、定期的に変更が行われています。
必要に応じて、補助金・減税制度に詳しいリフォーム会社や専門家に相談してください。
中古マンションのリフォーム・リノベーションとリフォーム済み物件との比較

すでに工事が済んだ、「リフォーム済み物件」を購入するのも選択肢の一つです。
中古マンションをリフォーム・リノベーションするのとどのような違いがあるのか、以下でまとめました。
| 購入後にリフォームする物件 | リフォーム済み物件 | |
|---|---|---|
| 間取り・内装の自由度 | 希望を反映しやすい | 基本的に完成済み |
| 費用の分かりやすさ | 工事費が変動する可能性があるので、総額がわかりにくい | 購入価格に含まれているので、総額がわかりやすい |
| 入居までの期間 | 工事期間が必要 | 引き渡し後にすぐ入居できることが多い |
| 工事内容の確認 | 自分で仕様を確認できる | 見えない部分を確認しにくい場合がある |
| 手続きの負担 | 打ち合わせや申請が必要 | 比較的少ない |
| 資金調達 | 一体型ローンなどを使用する場合、工事費の見積書などの書類が必要になる | 通常の住宅ローンで購入できるので、手続きがシンプル |
間取りや仕様にこだわりたい人や、物件を安く買って工事に予算を回したい人は、購入後のリフォーム・リノベーションに向いています。
一方で、総額を把握してから物件を決めたい、手間をかけずに入居したい人は、リフォーム済み物件がおすすめです。重視する条件によって適した選択肢が異なるので、よく検討したうえでどちらにするか決定しましょう。
中古マンションのリフォーム・リノベーション【まとめ】

中古マンションの購入時にリフォーム・リノベーションをする場合は、資金計画から入居までの流れを確認しておくことが大切です。
購入前に必要な情報収集や手続きを済ませておくことで、契約後に「希望した工事ができない」などの失敗を避けられます。想定するリフォーム・リノベーションができる中古マンションを選択することが、理想の暮らしを実現するための第一歩です。
費用は物件購入費と工事費を合わせた総額で考え、最適な資金調達の方法を選択してください。
北摂エリアで中古マンションを探している方へ
中古マンションの購入では、物件そのものだけでなく、周辺の住環境や交通アクセス、買い物環境なども重要な検討ポイントです。
北摂エリアで住まいを探している方は、各市や駅周辺の特徴も参考にしてみてください。


