執筆:北摂住まいガイド編集部/中古マンション担当ライター
中古マンションの購入経験があるライターが、自身の経験をもとに、購入までの流れや必要な準備、物件選びの注意点などを解説しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体や公的機関、金融機関などの公式情報をもとに、掲載情報の正確性を確認しています。
中古マンションを購入するときは、物件価格や間取り、立地だけでなく、マンション全体がどのように管理されているかも確認することが大切です。
中古マンションは、購入したあとも管理費や修繕積立金を支払いながら、建物や設備を維持していく必要があります。
そのため、購入前は「今きれいに見えるか」だけでなく、管理組合が適切に運営されているか、修繕のためのお金が準備されているか、長期的な修繕計画が立てられているかなどを確認しましょう。
この記事では、中古マンションの管理状態を確認するときに見ておきたいポイントを、管理組合・お金・修繕計画・管理会社・共用部分・書類の6つの視点から解説します。
【この記事で分かること】
中古マンションを購入する際に確認しておきたい、管理状態のチェックポイントを解説します。
✓管理組合の運営状況や管理会社の役割
✓管理費・修繕積立金の確認方法と将来の負担
✓長期修繕計画や大規模修繕工事の確認ポイント
✓共用部分や管理に関する書類から分かる注意点
中古マンションの管理状態が重要な理由

中古マンションは、購入したら終わりではありません。
建物や設備を長く使い続けるためには、必要な修繕を行い、その費用を準備しておく必要があります。その役割を担っているのが、区分所有者でつくる管理組合です。管理組合が適切に運営され、修繕積立金が計画的に積み立てられていれば、将来の修繕にも備えやすくなります。
一方で、長期修繕計画が十分に検討されていなかったり、修繕積立金が不足していたりすると、将来的に積立金の値上げや一時金の負担などが必要になる可能性があります。
私自身、約15年前に中古マンションを購入しました。
当時は管理状態についてほとんど知識がなく、駅からの距離や価格、広さなどを中心に物件を見ていました。管理費と修繕積立金も確認しましたが、「それほど高くないな」と思った程度です。
しかし、実際に住んでみると、大規模修繕だけでなく、設備の交換や共用部分の修繕など、マンションを維持するためにはさまざまな費用がかかることが分かりました。
購入時には見えにくい部分だからこそ、管理状態は事前に確認しておきたいポイントです。
管理組合とは?マンションを維持するための役割
管理組合とは、マンションの区分所有者が建物や敷地、共用部分を適切に管理するためにつくる組織です。
マンションの管理に関する重要な事項は、管理組合の総会などで決定されます。例えば、管理費や修繕積立金の変更、大規模修繕工事の計画・実施、管理規約の変更、役員の選任などが話し合われます。
そのため、中古マンションを購入するときは、建物そのものだけでなく「管理組合がきちんと活動しているか」という視点も持っておきましょう。
管理組合の運営状況で確認したいポイント
購入前には、可能であれば直近の総会議事録や理事会の活動状況を確認しましょう。
総会議事録を見ると、現在マンションでどのような問題が話し合われているのか、修繕や設備についてどのような対応が検討されているのかを知ることができます。
例えば、建物や設備の問題について話し合われた結果、修繕の実施や今後の調査など、具体的な対応が決まっているかを確認します。
理事会についても活動状況を確認しておきたいところです。ただし、開催回数が多ければ良い、少なければ悪いと単純に判断するものではありません。
重要なのは、マンションを維持するために必要な課題について、適切に話し合われ、対応が進められているかということです。
管理組合の運営状況に加えて、マンションで暮らす際のルールも確認しておきましょう。
ペットの飼育やリフォーム、駐車場の利用など、中古マンションの管理規約で確認したいポイントを詳しく解説しています。
修繕積立金・管理費は現在の金額だけを見ない

中古マンションの管理状態を確認するときは、毎月支払う管理費と修繕積立金も確認しましょう。
管理費は、共用部分の清掃や設備の維持管理、管理会社への委託費など、日常的な管理に使われます。一方、修繕積立金は、将来の大規模修繕や設備の修繕などに備えて積み立てておくお金です。
そのため、月々の負担額が安いことだけを理由に「管理状態が良い」と判断することはできません。確認したいのは、現在の金額だけではなく、次のような項目です。
①修繕積立金の現在の残高
②今後の値上げ予定
③修繕積立金の積立方式
④長期修繕計画に対して必要な積立額が確保されているか
⑤購入予定の住戸に管理費・修繕積立金の滞納がないか
修繕積立金には、毎月一定額を積み立てる「均等積立方式」と、将来的に段階的に金額を引き上げる「段階増額積立方式」などがあります。
段階増額積立方式の場合、現在の月額だけを見ると負担が少なく見えることもあります。購入前には、長期修繕計画を確認し、今後どの程度の負担になるのかまで確認しておきましょう。
私自身、購入した当時は修繕積立金が将来的に上がることを深く考えていませんでしたが、実際に住み始めてから2度値上げがありました。
当初は負担が増えることが気になりましたが、建物が古くなるにつれて修繕が必要になることを実感すると、マンションを維持するためには必要な費用なのだと考えるようになりました。
「今いくら払うのか」だけではなく、「将来の修繕に備えて、適切な金額が準備されているのか」まで確認することが大切です。
修繕積立金が増えても払える予算を考えるには、中古マンションの住宅ローンはいくらまで借りるべき?も参考になります。管理費や税金などを含め、家計から借入額を逆算する手順を紹介しています。
長期修繕計画とは?
長期修繕計画とは、マンションを長く維持するために、将来どのような修繕工事をいつ頃行い、どの程度の費用が必要になるのかを長期的に計画したものです。
建物や設備は、時間の経過とともに劣化するため、将来必要になる修繕工事を見込んで、修繕積立金を計画的に準備することが重要です。
中古マンションを購入するときは、現在の建物の状態だけでなく、長期修繕計画も確認しておきましょう。
長期修繕計画で確認したいポイント
まず確認したいのは、長期修繕計画が作成されているか、そして見直しが行われているかです。
国土交通省の管理計画認定制度では、長期修繕計画について、計画期間が30年以上であること、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていることなどが基準になっています。
これは管理計画認定の基準であり、すべてのマンションにそのまま当てはまる法律上の義務という意味ではありません。購入前に長期修繕計画を確認するときの一つの目安として知っておくとよいでしょう。
さらに、
①今後どのような修繕工事が予定されているか
②工事の時期はいつ頃か
③工事費用はいくら程度見込まれているか
④修繕積立金はその費用に対応できる計画になっているか
⑤今後、修繕積立金の値上げが予定されているか
なども確認しましょう。
長期修繕計画と修繕積立金は別々に見るのではなく、セットで確認することがポイントです。
大規模修繕工事の実施履歴や今後の予定を確認する

中古マンションでは、これまでにどのような大規模修繕工事が行われたのかも確認しておきましょう。
実施時期だけでなく、どの部分を修繕したのか、今後どのような工事が予定されているのかまで確認すると、マンションの維持管理の状況を把握しやすくなります。
また、長期修繕計画と実際の修繕履歴を照らし合わせてみるのも一つの方法です。私の住んでいるマンションでも、外壁などを対象とした大規模修繕を経験しました。
それとは別に、貯水槽の交換や郵便受けの更新、駐輪場の変更、配管工事など、マンションを維持するための修繕や設備の更新も行われています。
住んでみると、マンションは一度購入したらそのまま使い続けられるものではなく、設備や共用部分を維持するために継続的な修繕が必要なのだと実感します。
購入前には「これまで何をしてきたか」と「これから何をする予定なのか」の両方を確認しておきましょう。
大規模修繕の履歴と、耐震診断・補強の履歴は分けて確認しましょう。
中古マンションの耐震性チェック方法では、新耐震・旧耐震の違いに加えて、診断結果や補強計画を確認するときのポイントを紹介しています。
修繕積立金が不足していないか確認する方法
修繕積立金が十分かどうかを確認するときは、現在の残高だけを見るのではなく、長期修繕計画と合わせて確認することが大切です。
例えば、今後大規模な修繕工事が予定されている場合、その費用に対して修繕積立金がどの程度準備されているのかを確認します。
国土交通省のマンション管理状況チェックシートでも、修繕積立金の現在の積立額と、長期修繕計画で予定されている将来の工事費用に対して不足しないかを確認するよう示されています。
また、管理費や修繕積立金の滞納状況も確認しておきたいポイントです。
修繕積立金が国の目安と比べて高いから安心、低いから問題があると単純に判断するものではありません。建物の規模や設備、これまでの修繕状況、今後の工事予定などによって必要な金額は変わるためです。
購入前には、「現在の積立残高+毎月の積立額+今後の修繕予定」をセットで確認しましょう。
管理会社と管理組合の運営状況も確認する

マンションの管理では、管理会社と管理組合の両方が関わっています。
管理会社は、清掃や設備の点検など日常的な管理業務を行うほか、修繕について管理組合に提案や助言をすることもあります。ただし、管理会社に任せていればすべて安心というわけではありません。
管理会社からの提案を管理組合や理事会が検討し、必要性や費用を判断することも大切です。私のマンションでも、管理会社からさまざまな提案がありました。
最終的には、提案内容や費用などを検討した結果、管理会社を変更した経験もあります。
購入前には、管理会社の名前だけでなく、どの範囲の管理業務を委託しているのか、総会議事録などから管理会社と管理組合がどのようにやり取りしているのかも確認してみましょう。
中古マンションの資産価値を考える上で、管理・修繕状況はとても重要なチェックポイントです。
管理・修繕状況は、将来の売却を考える際にも確認しておきたい条件です。
物件の条件やエリアの需要も含めた、中古マンションの資産価値を左右するポイントも参考にしてください。
共用部分から確認できる管理状態
書類だけでなく、実際の共用部分を見ることも管理状態を知る手がかりになります。
内見の際には、
①エントランス
②廊下
③ゴミ置き場
④駐輪場
⑤郵便受け
⑥掲示板
⑦外壁や共用設備
などを見てみましょう。
清掃が行き届いているか、設備が壊れたままになっていないか、掲示物が長期間放置されていないかなどを確認します。ただし、共用部分がきれいだからといって、それだけで管理状態が良いと判断することはできません。
反対に、多少の汚れがあるからといって、すぐに管理組合の運営に問題があるとも限りません。
共用部分を見るときは、単に「きれいか、汚いか」だけでなく、設備の不具合や修繕が必要な箇所が長期間放置されていないか、掲示板から管理に関する案内がきちんと行われているかなども確認してみましょう。
共用設備は、災害時に使い続けられるかという視点でも確認しましょう。
中古マンションの災害リスクの調べ方では、電気室や給水設備の浸水対策、防災備蓄や避難経路の確認ポイントを紹介しています。
また、内見では共用部分に加えて室内の設備や状態も確認しておきましょう。
現地で見るべき箇所や担当者への質問事項は、中古マンションの内見チェックポイントにまとめています。
管理に関する書類で確認したいポイント

中古マンションの管理状態を確認するには、実際の建物を見るだけでは分からない情報もあります。
購入を検討している物件について、不動産会社に確認できる資料を尋ねてみましょう。
特に確認したいのは、次のような書類です。
①管理規約
②総会議事録
③長期修繕計画
④修繕工事の履歴
⑤管理費・修繕積立金に関する資料
⑥管理組合の収支や財務状況が分かる資料
⑦管理委託契約に関する資料
それぞれの資料から確認できる内容は異なります。
例えば、総会議事録からは現在マンションで話し合われている課題、長期修繕計画からは今後予定されている修繕、工事履歴からはこれまでに実施された修繕の内容を確認できます。
また、管理組合の収支や財務状況に関する資料からは、管理費・修繕積立金の収支や滞納状況などを確認できる場合があります。
すべての資料を購入希望者が直接閲覧できるとは限らないため、まずは不動産会社に「管理状態を確認するために、どの資料を確認できますか」と聞いてみましょう。
管理費や修繕履歴などを書類で確認する際は、各書類の役割を理解しておくと内容を整理しやすくなります。
重要事項説明書と管理に係る重要事項調査報告書の確認ポイントでは、それぞれの書類の見方を解説しています。
管理状態に不安があるマンションの特徴
ここまで確認してきた内容を踏まえると、次のような点が複数見られる場合は、購入前に詳しく確認しておきましょう。
・長期修繕計画と修繕積立金の関係が分かりにくい
・必要な修繕が長期間行われていない
・管理組合の活動状況が分からない
・共用部分の問題が長期間放置されている
これらに当てはまる場合は、理由や現在の対応状況を確認し、ほかの情報と合わせて判断しましょう。
管理状態だけでなく、立地や築年数なども合わせて比較することが大切です。
物件全体をどのような視点で判断すればよいかは、中古マンションの選び方と9つの確認ポイントも参考にしてください。
まとめ
中古マンションの管理状態を確認するとき、最も大切なのは、一つの項目だけで判断しないことです。
共用部分がきれいでも、修繕積立金が十分とは限りません。
反対に、築年数が古く、共用部分に多少の使用感があっても、修繕計画がきちんと立てられ、必要な修繕が計画的に行われているマンションもあります。
そのため、
①管理組合が適切に運営されているか
②管理費や修繕積立金はどのような状況か
③長期修繕計画が作成・見直しされているか
④これまでどのような修繕が行われたか
⑤今後どのような修繕が予定されているか
⑥管理会社と管理組合がどのように連携しているか
⑦共用部分が適切に維持されているか
といった情報を組み合わせて確認しましょう。
購入前には、物件の価格や間取りだけでなく、「このマンションはこれからも適切に維持していける状態なのか」という視点を持って、管理組合の運営状況や修繕計画、修繕積立金、共用部分などを確認してみてください。
分からない項目があれば、そのままにせず、不動産会社に資料を確認したり、内容を説明してもらったりすることも大切です。
購入後も長く暮らす場所だからこそ、部屋だけでなく、マンション全体がどのように維持されているのかまで確認しておきましょう。
築年数を確認する際は、法定耐用年数と建物の寿命の違いも押さえておきましょう。
中古マンションの構造と寿命について、構造ごとの特徴や長く住むために確認したいポイントをまとめています。
また、購入に向けて手続きを進める前に、全体の流れも把握しておきましょう。
中古マンション購入までの流れでは、物件探しから購入申し込み、売買契約、引き渡しまでの手順を解説しています。
北摂エリアで中古マンションを探している方へ
中古マンションの購入では、物件そのものだけでなく、周辺の住環境や交通アクセス、買い物環境なども重要な検討ポイントです。
北摂エリアで住まいを探している方は、各市や駅周辺の特徴も参考にしてみてください。


