執筆:北摂住まいガイド編集部/豊中市担当ライター
豊中市で長年暮らすライターが、現地での生活経験をもとに執筆しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体の公式情報や公開データなどをもとにファクトチェックを行っています。
豊中市の南部、大阪市との境に近い場所に、阪急宝塚線の庄内駅があります。大阪梅田から4駅で約10分の距離です。
この記事で扱う範囲は豊中市が2026年3月にまとめた「庄内駅周辺整備構想」にならい、庄内駅から徒歩圏域1km内としました。市はこの範囲を「庄内駅勢圏」と呼んでいます。
【この記事で分かること】
庄内・三国周辺で暮らすとどうなるかを、豊中市の公表資料で確かめられます。
✔ 庄内駅から都心・新大阪・阪急豊中へ、鉄道とバスでどう出られるか
✔ 市場と商店街と大型店が、駅のどちら側にあるか
✔ 休日の急病と入院・救急で、どこへ行くことになるか
もうひとつ、先に整理しておきたいことがあります。記事名にある三国は豊中市の三国1丁目・2丁目を指します。同じ名前の三国駅は大阪市淀川区にあり、別の場所です。
ここでは庄内・三国周辺の街の成り立ちから交通アクセス、買い物、医療機関、そしてこれから進む再整備までを、市の公表資料をもとに順に解説していきます。
庄内・三国周辺はどんな街?

庄内駅が開設されたのは昭和26年(1951年)です。当時の周辺は、主に農地でした。
街のかたちが決まったのはその後の高度経済成長期です。市の庄内駅周辺整備構想によれば昭和30年(1955年)から昭和40年(1965年)頃にかけて、都市基盤が整わないまま市街化が進みました。
細い農道などを利用して木造アパートや文化住宅が建てられ、住宅の密集した市街地ができた、と書かれています。
ただ同じ構想は、庄内駅の周辺では商業施設などが立地して便利でにぎわいのあるまちが形成された、とも書いています。道の狭さと生活の便利さが同時に生まれた。それがこの一帯の成り立ちです。
人口の動きも市の北側とは逆を向いています。名神高速道路以南を指す南部地域は、昭和45年(1970年)に人口のピークを迎え、そこから減少に転じました。
それでも市は、第2次都市計画マスタープランで庄内駅を市内4つの都市拠点のひとつに数え、南部地域の中心核と位置づけています。同じ年に市の北部では千里ニュータウンの千里中央地区が街開きを迎えています。
もうひとつ、庄内・三国周辺には市内でここだけの特徴があります。駅の東側と西側で、市が定めた区域の種類が違うのです。
駅の西側は一般型の居住誘導区域です。これに対して駅の東側は住工共生型居住誘導区域に指定されています。
市はこの区域を、住民と事業者がお互いを理解し尊重したうえで職住近接の特性を活かしながら住宅と事業所が共生する市街地の形成を図る区域だと定義しています。同じ駅の東と西で、想定されている暮らし方が違うということです。
住まいについては市の魅力発信サイトが庄内駅周辺エリアを「居住費にゆとりを持ちやすい」エリアとして紹介しています。比較的小規模な賃貸マンションや中古戸建てが多く、市内では築浅の物件が最も多いエリアだとも書かれています。
みどりについては市が選定した「とよなか百景」に庄内中央緑道〈庄内みどり通り〉が入っています。
庄内幸町5丁目から大黒町3丁目にかけて赤レンガ色に舗装された緑道が続く道です。沿道にはトウカエデやキンモクセイが植えられています。
庄内・三国周辺の治安は?
庄内・三国周辺の治安を考えるときは市全体の犯罪発生の状況と、地域で続けられている見守りの取り組みを土台にすることになります。ただし統計が公表される単位と、実際に毎日歩く範囲とは必ずしも一致しません。
庄内・三国周辺で住宅の購入を検討する際は、交通や買い物の利便性だけでなく、治安についても確認しておきたいポイントです。
豊中市全体の犯罪発生状況や地域の防犯対策、住まい選びで確認したいポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

庄内・三国周辺の交通アクセスは?

庄内駅は、阪急宝塚線の各駅停車駅です。急行はもちろん、通勤急行も停車しません。
その代わり都心までの距離は短めです。市の庄内駅周辺整備構想は、庄内駅について「大阪梅田駅から4駅、約10分の距離」と明記しています。市の魅力発信サイトは、新大阪駅までを電車とバスで約20分としています。
バスは阪急バスが2系統です。ひとつは24系統です。JR吹田駅からJR南吹田、江坂駅前を経て庄内駅前に入り、阪急園田駅へ抜けます。もうひとつは48・50系統で、新大阪の阪急バスターミナルから庄内駅前を通り、阪急豊中駅を経て柴原阪大前駅まで結びます。
系統の数としては多くありません。ただこの2本で、東はJR吹田と江坂、西は阪急園田、北は阪急豊中と柴原阪大前、南は新大阪という方向がひととおり押さえられます。鉄道とバスで向かえる方角が違うので、勤務先によって使い分けができます。
道路では2026年に新しい動きがありました。都市計画道路 三国塚口線のうち、国道176号から主要地方道大阪池田線までの約1.1km区間が、2026年6月26日に交通開放されています。大阪府池田土木事務所が公表しているものです。
なお三国塚口線はこの先の区間でも計画の見直しが進んでいます。大阪府は阪急神戸線と交差する部分について、道路を高架構造から平面構造に変えたうえで4車線にする都市計画変更を公表しました。これに伴って阪急神戸線の側を立体構造に変更する計画です。
ただし、駅そのものへ近づく道には課題が残っています。市の構想は駅への東西方向のアクセス道路が不足していることを課題に挙げています。
駅の東側では幅員6m未満の道路が6割以上を占め、駅前広場も西側・東側ともに未整備のままです。豊南町の地区から駅へ向かう道についても、天竺川の付近に高低差があるため遠回りになる、と指摘しています。
車で駅前まで乗りつける前提は、この駅には置きにくいでしょう。徒歩か自転車で駅に出るものとして住む場所を選ぶほうが、毎日の動線は組み立てやすくなります。
庄内・三国周辺の買い物環境は?

市の魅力発信サイトは庄内駅周辺エリアについて、市場や商店街やスーパーが身近にそろって毎日の買い物が徒歩圏で完結すると紹介しています。
なかでも外せないのが、豊南市場です。
庄内東町1丁目7-19、庄内駅の東口を出てすぐです。運営は株式会社豊南市場で入っている店は豊南市場商人会という組織にまとまっています。営業時間は9時から18時まで(店舗によって異なります)、休業日は日曜と祝日です。
開設は昭和30年(1955年)です。市場の公式サイトによれば、その後の増築を経て阪神・淡路大震災を受けて平成7年(1995年)に建て替えられ、現在の姿になりました。豊中市が庄内エリアを紹介するときの代表的な写真も、この市場です。
商店街もあります。駅の西口からのびるアーケードは庄内本通商店街振興組合の運営で、愛称は庄内WESTです。ほかに庄内西本町商店会もあります。
大型店は、食品スーパーを核にした商業施設のほか、家電量販店やホームセンターが国道176号の沿線に立地しています。
数字にも、この一帯の特徴が出ています。市の構想によれば2012年を100としたときの2021年の卸売・小売業の従業者数は、商店街のある駅の西側で約1.4倍に増えました。
駅の東側は7割程度に減っています。商店街は衰退していくもの、という一般的な見方とは逆の動きです。
ただし店が集まる面そのものが広いわけではありません。同じ構想の土地利用調査では、庄内駅勢圏に占める商業地の割合は0.5%で、豊中駅周辺の3.6%とは開きがあります。
徒歩圏に日常の買い物が詰まっているのに、面としての商業の広がりは限られる。そういう構図です。
買い物の場所は、線路をはさんで分かれています。市場は東、商店街と大型店は西です。どちら側に住むかで、毎日の買い回りの動きはかなり変わります。
庄内・三国周辺の医療機関は?

医療は日常のかかりつけ、休日の急病、入院と救急の3つに分けて見ておくと整理しやすいでしょう。
日常のかかりつけについては内科や脳神経を掲げるクリニックが駅の周辺に複数あります。入院に対応する病院も徒歩圏のなかに複数ありました。市の北部まで出なければ入院先がない、という一帯ではありません。
休日の急病では、この範囲内に窓口があります。豊中市医療保健センターの南部診療所が島江町にあり、休日に急病になった人を対象に、応急的な処置を目的とした診療を行っています。
市内2か所のうちの1か所です。こどもの夜間・休日は、箕面市にある豊能広域こども急病センターが受け持ちます。受付の時間帯は施設ごとに違うので、行く前に市の案内で確かめてください。
入院と救急では庄内宝町に大阪脳神経外科病院があります。同院は大阪府の二次救急認定病院の指定を受けており、24時間365日の体制で医師が常駐していると公表しています。
豊南町東と庄内東町には坂本病院と同分院があります。どちらも同じ医療法人が運営しており、こちらは療養が中心です。
ただし診療科を広くそろえた総合的な入院・救急となると、行き先は柴原町の市立豊中病院になってこの範囲からは外れます。同院は自院の救急外来について主として二次救急を担うものと説明しています。
もっとも、庄内駅前から阪急バスの48・50系統に乗れば、乗り換えなしで柴原阪大前駅まで行くことができます。
庄内・三国周辺の学区は?
庄内・三国周辺には、小学校と中学校の課程をひとつの学校で行う義務教育学校が2校あります。1校目は2023年(令和5年)4月、2校目は2026年(令和8年)4月の開校です。
ただし、どちらの学校の区域になるかは町名だけでは決まらず、丁目や番地の単位で分かれます。住む場所を絞り込む段階で、市が公表している通学区域の一覧で確かめてください。
豊中市内の学区や教育環境、学校選びの際に確認したいポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

庄内・三国周辺のおすすめ施設

庄内・三国周辺で1か所だけ挙げるなら庄内コラボセンター「ショコラ」です。
庄内幸町4丁目29-1、旧市立第六中学校の跡地に建てられ、2023年(令和5年)2月20日にオープンしました。地上4階建てで、延床面積は約8,300平方メートル。
市はこの建物に9つの機能を持たせたと説明しており、南部地域の新たなランドマークで地域課題の解決と活性化の拠点だと位置づけています。
市の立地適正化計画も、庄内駅の周辺区域の目的を「子育て支援機能の充実」と定めました。市内に7つある区域のうち、この分類は庄内のみです。
1階は市民公益活動支援センターと庄内保健センター、子育て支援センターの分室。2階には庄内図書館と、こども・教育総合相談窓口。3階には庄内出張所と庄内介護予防センター、豊中しごと・くらしセンターが入ります。
図書館の所蔵はおよそ7万冊です。手続きも相談も就労支援も子育ても読書も、1棟のなかで済みます。
この施設がほかと違うのは、学校と同じ敷地に一体で設計されている点です。義務教育学校と並んで建っており、設計を担当した事業者は、この2つをあわせた計画で2023年のグッドデザイン賞を受けたと公表しています。
ただしこれだけの機能が1か所に集まったということは、地域に点在していた施設がここへ統合されたということでもあります。市自身、公共施設の老朽化対策を南部地域の課題として挙げていました。
学校と同じ敷地に建っているため、放課後の子どもの居場所と、大人が使う窓口が1か所にまとまっています。
豊中市に住んだ人の声も参考に
実際に暮らした人の体験からは、街の魅力や日々の暮らしが見えてきます。
豊中市での住まい選びに、次の体験談も参考にしてみてください。
庄内・三国周辺はこれからどう変わる?

庄内・三国周辺は、これから動く予定が重なっている場所です。
まず市の構想そのものがあります。2026年3月にまとめられた庄内駅周辺整備構想は、未整備のままの駅前広場をどうするかを課題に据えました。
そのうえで中長期の方向として、東西の都市計画道路の交通を円滑にするための鉄道高架化をはじめとしたさまざまな検討を挙げています。阪急宝塚線の高架化が平成13年(2001年)に完了している豊中駅の周辺とは、ちょうど逆の段階にあるわけです。
学校の跡地も動きます。旧庄内さくら学園中学校の跡地(野田町)は市が2026年3月30日に三菱倉庫と事業用定期借地権の契約を結びました。期間は37年です。
市はスポーツ振興施設を中心にこども関連施設や商業・医療などの生活利便施設を集めるとしており、事業者は2028年秋の開業を予定していると公表しています。
旧野田小学校の跡地も活用事業者の公募が進んでいます。優先交渉権者の決定は2026年11月下旬の予定です。共同住宅などの生活利便施設に加えて、地域の共同利用施設や公園の整備が想定されています。
ただし、いずれも数年単位の話です。住まいを決める時点で完成しているものではない、という前提で見ておく必要があります。
庄内・三国周辺のまとめ

最後に、この一帯に住んでいる人がどう感じているかを市の調査で見ておきます。
豊中市が2025年(令和7年)8月に実施した市民意識調査では、名神高速道路以南の南部地域で「今後も豊中市に住み続けたい」と答えた人は84.3%でした。
その理由の1位は「買い物などの日常生活が便利だから」で69.9%でした。市全体の60.9%を上回り、市内7地域のなかで最も高い数字です。
その反面、同じ地域で「今の住宅に満足しているから」を理由に挙げた人は46.0%にとどまり、市全体の55.8%を下回りました。
買い物と移動の便利さを優先し、住まいそのものの条件は自分の目で見極めていく。庄内・三国周辺は、そういう選び方が向く一帯だといえます。
出典:豊中市「令和7年度(2025年度)豊中市市民意識調査 報告書」
豊中市のほかのエリアと比べて住む場所を選びたい方は、豊中市全体をまとめた記事もチェックしてみてください。

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豊中市は、駅やエリアによって街並みや交通アクセス、買い物環境、子育て環境などが異なります。
庄内・三国周辺だけでなく、豊中駅や岡町駅、曽根駅、緑地公園駅周辺なども比較すると、希望する暮らしに合った住まいを探しやすくなります。
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