執筆:北摂住まいガイド編集部/中古マンション担当ライター
中古マンションの購入経験があるライターが、自身の経験をもとに、購入までの流れや必要な準備、物件選びの注意点などを解説しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体や公的機関、金融機関などの公式情報をもとに、掲載情報の正確性を確認しています。
中古マンションを購入するとき、多くの方は「どんな物件を選ぶか」に意識が向きがちです。しかし、実際に購入手続きを進めていくと、物件選びと同じくらい「どの不動産会社・担当者を選ぶか」が結果を大きく左右することに気づきます。
私は6年前に築浅の中古マンションを購入しました。当時は知人の紹介で地域密着型の不動産会社へ依頼し、他社と比較することなく1社のみで契約を行った経験があります。
「知人の紹介だから安心」という思いがあったため後悔はありませんが、今振り返ると、不動産会社の強みやサービスの差を事前に知っておくべきだったと感じる場面もありました。
この記事では、実体験を交えながら、中古マンション購入における不動産会社と担当者の選び方、比較・判断のポイントを分かりやすく解説します。
【この記事で分かること】
この記事では、購入経験をもとに、不動産会社と担当者を比較するときの判断ポイントを紹介します。
✓ 仲介会社・売主・販売会社の違い
✓ 大手と地域密着型の会社の特徴
✓ 信頼できる担当者を見極める6つのポイント
✓ 仲介手数料と囲い込みの注意点

1. 中古マンション購入における不動産会社と担当者の役割
中古マンション購入において、不動産会社は単に物件情報を紹介してくれるだけの存在ではありません。
物件の権利関係や建築・管理状態の調査、売主側との価格交渉、住宅ローンの手続きサポート、売買契約の締結まで、取引全体を安全に進めるための重要なパートナーです。
理想的な不動産会社や担当者は、「物件を売り込む営業マン」ではなく、「失敗を防ぐためのアドバイザー」として寄り添ってくれます。
実は、私が家探しをしていた際、何件も内覧を重ねても「これだ」と思える物件に出会えず、何度も案内してもらうのが申し訳なく感じていた時期がありました。
そのとき担当者から「一生に一度レベルの大きな買い物ですから、焦って妥協して決める必要は一切ありませんよ」と言っていただき、一気に心が軽くなったことを覚えています。
このように、買主のペースや気持ちに寄り添ってくれる担当者を選べるかが、後悔のない購入につながる第一歩だと感じました。
2. 「仲介会社」「売主」「販売会社」の違いと取引の仕組み
不動産を取り扱う会社には、いくつかの立ち位置があります。それぞれの特徴を理解しておくと、物件探しが円滑に実施できます。
仲介会社・売主・販売会社の特徴比較
| 項目 | 仲介会社 | 売主 | 販売会社 |
| 立場 | 売主と買主の間に入る 中立的な立場 | 物件を所有している当事者 | 売主から依頼を受けて 販売を代行する立場 |
| 提案の幅 | 市場に出ている幅広い 物件から提案可能 | 自社所有の 特定物件のみ提案 | 依頼された特定の 物件のみ提案 |
| 仲介手数料 | 必要 (法定上限あり) | 不要 | 売主、代理、媒介のどの立場で販売するかによって変わる |
仲介会社は市場全体の物件から中立的に提案してくれるのが魅力です。
一方で、不動産会社が自社で買い取り・リノベーションして直接販売する「売主物件」の場合は、仲介手数料がかからないケースもあります。ただし提案される物件が限定されるため、自分たちの希望に合わせて幅広く探したい場合は仲介会社を利用するのが一般的です。
単独仲介(両手)と共同仲介(片手)の仕組みと注意点
仲介取引には「単独仲介(両手仲介)」と「共同仲介(片手仲介)」という2つの形態があります。1社の仲介会社が「売主」と「買主」の両方を担当するのが「単独仲介」です。
一方で、買主側にA社、売主側にB社と、それぞれ別の仲介会社が入る形態を「共同仲介」と呼びます。

私が中古マンションを契約した際は「自分 ⇔ 買主側仲介(地場会社) ⇔ 売主側仲介(大手不動産会社) ⇔ 売主」という共同仲介の形でした。
この取引形態では、こちらの要望や質問が相手方の売主に届くまで間に2社を挟むため、どうしても「伝言ゲーム」になりやすい側面がありました。
引き渡し時期の調整など細かな条件交渉でやりとりが複雑になった経験から、担当者との連絡は言った言わないを防ぐためにも、メールや書面など記録に残る形でやりとりすることをおすすめします。
3. 大手不動産会社と地域密着型(地場)会社の違い
不動産会社を選ぶ際、「大手を選ぶべきか、地元の会社を選ぶべきか」で悩む方は多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、どちらかが一方的に優れているということはありません。双方の特徴を把握したうえで、自分たちの希望に合う方を選ぶことが大切です。
| 項目 | 大手不動産会社 | 地域密着型(地場)会社 |
| 強み | 全国的なネットワークの広さ、充実した独自の保証サービス、IT・デジタル対応のスムーズさ | 特定エリアに特化した濃密な情報、地域特有の住みやすさの熟知、スピーディーで柔軟な対応 |
| 注意点 | 担当者によって知識や対応の質にばらつきが出る場合がある | 会社によってはペーパーレス化やITツールの導入が遅れている場合がある |
私が依頼したのはスタッフ数名規模の地域密着型会社でした。社長に対応して頂いたこともあり、意思決定が非常に早く、条件面の相談をした際も「その場で確認して即決してもらえる」という地場会社ならではのスピーディーな強みを実感できました。
その一方で、契約書類や連絡方法が紙や電話中心でデジタル対応が進んでおらず、仕事の合間にやりとりする際は少し不便さを感じたことも事実です。会社規模のイメージだけで決めつけるのではなく、提供されているサービス内容や使いやすさも含めて判断しましょう。

4. 信頼できる営業担当者を見極める6つのポイント
中古マンション購入の満足度は、不動産会社の規模以上に「担当者の質」によって決まると言っても過言ではないと感じました。信頼できる担当者かどうかを見極める際は、以下の6つのチェックポイントを意識してみてください。
1.希望エリアや中古マンションの取引実績・知識が豊富か
2.メリットだけでなく、物件のデメリットや将来のリスクも隠さず話すか
3.成約を焦らせず、こちらの検討ペースに合わせてくれるか
4.レスポンスが早く、連絡や説明の姿勢が丁寧か
5.物件の管理状態や総会議事録などの確認に積極的か
6.質問に対して適当にごまかさず、後から正確に調べて答えてくれるか
特に重視していただきたいのが「デメリットやリスクを説明してくれるか」という点です。築年数に応じた修繕積立金の値上げ予定や、建物の管理状態の懸念点などを包み隠さず教えてくれる担当者は信頼できます。
ちなみに、我が家を担当してくれた営業さんは、第一印象としては決してトークが上手なタイプではなく、どちらかといえば口数が少ない方でした。
最初は「大丈夫かな?」と少し不安になったのですが、こちらの質問に対して分からないことは「すぐ確認します」と持ち帰り、後から正確な情報を丁寧に調べて答えてくれました。
強引な売り込みは一切なく、黙々と誠実に仕事を進めてくれた姿勢に大きな信頼を寄せることができたのです。「話が上手で営業力がある=良い担当者」とは限りません。誠実に向き合ってくれるかどうかを見極めましょう。
担当者に確認を依頼する際は、自分でもチェック項目を把握しておくと相談しやすくなります。
中古マンションの管理状態を確認する方法では、修繕積立金や修繕計画、共用部分、書類などの確認ポイントを解説しています。

5. 仲介手数料の仕組みと複数社比較・囲い込みの注意点
不動産会社と契約を結ぶ前に、費用や取引上の注意点についても理解をしておく必要があります。
仲介手数料の仕組みと法定上限
仲介会社に支払う仲介手数料は、宅地建物取引業法によって上限額が定められています。取引価格が400万円を超える中古マンション売買の場合、上限額は以下の計算式で算出されます。
- 仲介手数料の上限額 =(売買価格 × 3% + 6万円)+ 消費税
たとえば、3,000万円のマンションを購入する場合の上限額は「96万円 + 消費税(10%の場合=105.6万円)」となります。これは法令で定められた「上限」の規定であり、必ずこの金額を支払わなければならないわけではありません。
会社によっては手数料の割引を行っていたり、定額制を導入していたりするケースもあります。
また、「販売会社」と書かれていても、その会社が売主なのか、売主の代理や仲介をしているのかによって取引上の立場は異なります。
「販売会社だから買主の仲介手数料は不要」と判断せず、物件資料や契約条件で、買主に手数料がかかるかを確認しましょう。媒介と代理は異なる取引上の立場として扱われます。
仲介手数料を含め、購入に必要な費用を整理したい方は、中古マンションの購入予算と頭金・諸費用の目安もご覧ください。
購入経験者が実際に支払った金額を交えながら、無理のない予算の決め方を紹介しています。
複数社比較の方法と強引な営業・「囲い込み」への注意
最初から1社に絞り込まず、まずは2〜3社の不動産会社に相談して比較してみることをおすすめします。比較する際は手数料の安さだけでなく、以下のような点を含めて総合的に判断しましょう。
- メールやチャットツールなどデジタル対応の利便性
- 独自で提供している設備保証やアフターサービスの充実度
- 担当者の人柄やリスク説明の誠実さ
また、不動産業界で注意したい専門用語として「囲い込み」があります。
「囲い込み」とは?
売主から売却を依頼された仲介会社が、他社から購入希望者を紹介したいという問い合わせを受けても、紹介できる物件を「すでに商談中です」などと偽って断り、自社で買主を見つけようとする行為です。
1社が売主と買主の双方を担当する「単独仲介(両手仲介)」自体は、囲い込みではありません。問題となるのは、他社からの問い合わせに事実と異なる回答をするなどして、購入希望者に物件を紹介する機会を妨げることです。
買主にとっては、検討できたはずの物件を知る機会が失われる可能性があります。ただし、買主が外から囲い込みの有無を判断することは難しく、紹介されなかった物件があると分かるとは限りません。
「うちでしか紹介できない物件です」「今すぐ決めないと他で決まってしまいます」と言われた場合も、それだけで囲い込みと決めつけず、物件の状況や判断を急ぐ理由を確認しましょう。説明に納得できなければ、いったん持ち帰って検討することも大切です。
私は当時「仲介手数料やサービス内容はどこも同じだろう」と思い込んで他社と比較しませんでしたが、後から保証制度やサービスの違いを知りました。そのため、複数社を並行して相談しながら、納得のいく判断をすることをおすすめします。

まとめ:会社の規模にとらわれず自分に合うパートナーを選ぼう
中古マンション購入における不動産会社選びは、会社の規模(大手か地域密着型)だけで一概に良し悪しを決められるものではありません。
自分たちが希望するエリアでの取引実績が豊富か、そして何より「自分たちの立場に立ってアドバイスをくれる担当者か」が重要です。
①物件の良い点だけでなく、デメリットや将来のリスクまで教えてくれるか
②焦らせずに納得いくまで検討に付き合ってくれるか
③確認事項に対してごまかさず誠実に対応してくれるか
これらのポイントを意識しながら、複数の不動産会社や担当者を比較・判断してみてください。親身になって並走してくれる信頼できるパートナーと出会うことが、理想の中古マンション購入を成功させる最大の鍵となります。
不動産会社選びとあわせて、物件を比較する基準も整理しておきましょう。
中古マンションの選び方と9つの確認ポイントでは、購入経験をもとに、希望条件の優先順位や立地、管理状態などのチェックポイントを紹介しています。
また、これから購入を進める方は、中古マンション購入までの流れと必要な準備も確認しておきましょう。
物件探しから購入申し込み、売買契約、引き渡しまでの手順を把握でき、不動産会社との相談にも役立ちます。
北摂エリアで中古マンションを探している方へ
中古マンションの購入では、物件そのものだけでなく、周辺の住環境や交通アクセス、買い物環境なども重要な検討ポイントです。
北摂エリアで住まいを探している方は、各市や駅周辺の特徴も参考にしてみてください。


