執筆執筆:北摂住まいガイド編集部/吹田市担当ライター
吹田市に実際住んで地域をよく知るライターが、現地での生活経験をもとに執筆しています。
監修・編集:みやのぶ
北摂住まいガイド運営者。記事内容を確認し、自治体の公式情報や公開データなどをもとにファクトチェックを行っています。
吹田市は大阪市に近く、暮らしやすい街として人気がある一方で、治安が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、吹田市の治安について、公的なデータをもとに犯罪の発生状況や防犯対策、地域ごとの特徴を解説します。
統計を見ると、特殊詐欺の認知件数は増加傾向にあり、被害の防止が課題になっています。一方で、市は防犯カメラの配置や、警察・地域と連携した見守り活動にも取り組んでいます。
吹田市への引っ越しや住宅購入を検討している方に向けて、子どもの安全についても分かりやすくまとめました。良い面だけでなく、注意したい点もあわせてお伝えしますので、住まい探しの参考にしてください。
【この記事で分かること】
この記事では、吹田市の犯罪発生状況と、住まい探しで確認したい防犯上のポイントを紹介します。
✓ 刑法犯と特殊詐欺の件数の推移
✓ 吹田市の防犯カメラと地域の見守り活動
✓ 地域ごとに現地で確認したい点
✓ 通学路や子どもの安全対策
吹田市の治安は良い?まずは犯罪発生状況を確認

吹田市の犯罪発生件数を大阪府と比較
吹田市の令和7年(2025年)の刑法犯認知件数は、2,141件でした。前年の2,034件より107件増えています。令和5年(2023年)の1,774件と比べると、2年続けて増えています。
大阪府全体の件数も、令和5年の80,148件から令和7年の84,107件へ増えています。増加率は府全体が約5%、吹田市は約2割で、吹田市のほうが大きくなっています。
出典:大阪府警察「令和7年中の犯罪統計(確定値)」
犯罪件数の推移から見る吹田市の治安
一方で、長い目で見ると犯罪件数は大きく減ってきました。市の資料によると、2023年の件数は2014年の半分程度まで減少しています。
なお、直近の増加には、件数が特に少なかった時期からの戻りという面もあります。令和4年(2022年)の1,629件は、令和元年(2019年)の2,113件より約2割少ない件数でした。令和7年の2,141件は、令和元年とほぼ同じ水準です。
吹田市の人口は、令和5年12月末の382,681人から令和7年12月末の386,317人へと、約1%増えました。件数の増え方(2年間で約21%)は、人口の増え方を大きく上回っています。
また、人口千人当たりの件数は4.52件でした。北摂の市の中では最も少なく、北摂各市や府内の中核市など12市の中でも2番目に少ない数字です。北摂では、豊中市が5.11件、高槻市が5.29件、箕面市が5.89件でした。
ただし、この比較は2023年のデータです。その後は件数が増えているため、現在の順位は変わっている可能性があります。
出典:「令和4年中の犯罪統計(確定値)」/「そーなんだ吹田~吹田がわかる50のデータ~」
吹田市で多い犯罪の種類
令和7年の内訳を見ると、窃盗犯が1,376件で、全体の約6割を占めます。手口別では自転車盗が682件と最も多く、全体の約3割です。万引きは208件でした。住宅に関わる侵入窃盗は41件で、うち空き巣は16件です。
前年と比べると、窃盗犯は1,466件から1,376件へ減りました。一方で、詐欺は242件から372件へ増えています。件数が増えた大きな要因は、詐欺の増加です。詐欺への対策は、あとの章で詳しく解説します。
件数だけで、安全かどうかを判断することはできません。自転車を使う方は、駐輪時の施錠を心がけたいところです。実際に暮らす場合は、次の防犯対策や地域ごとの特徴もあわせて確認してみてください。
出典:大阪府警察「令和7年中の犯罪統計(確定値)」
吹田市は「防犯カメラの配置」に特徴がある

市を「面で守る」カメラ配置
吹田市では、公共施設や電柱、信号柱、照明灯などに街頭防犯カメラを設置しています。
特徴的なのは、市を「点ではなく、面で守る」という考え方で配置している点です。市域への出入口となる道路や、人目につきにくい抜け道など、犯罪の抑止効果が高い場所にカメラを置いています。
市内に出入りする人が、どこかのカメラに映るような配置にしているのが、市の考え方です。
警察の助言と地域の意見をもとに設置
設置場所は、市だけで決めているわけではありません。警察の助言をもとに候補を選び、地域の意見を踏まえて設置箇所を確定しています。警察の視点と、暮らす人の声の両方を取り入れた進め方です。
映像の保存とプライバシーへの配慮
運用面では、プライバシーへの配慮も定められています。カメラは24時間365日稼働し、映像はカメラ内の記録媒体に概ね7日間分が保存されます。古いデータから自動的に消去される仕組みです。
個人や集合住宅の玄関、窓、ベランダなどが映って個人が特定されないよう、画像処理も行われています。録画された映像を見られるのは、捜査機関による捜査に必要な場合などに限られます。モニターでの監視や、インターネット経由での閲覧はできません。
ただし、カメラがあるからといって、犯罪が起きないわけではありません。市が示している目的は、犯罪の未然防止と、発生時の迅速な対応です。カメラの有無だけでなく、夜間の人通りや街灯の様子も、あわせて見ておくとよいでしょう。
出典:吹田市「防犯カメラの設置」
吹田市では警察・地域・大学が連携した防犯活動も行われている

吹田警察署との連携協定
吹田市の防犯は、行政だけでなく、警察や地域の団体、大学などとの連携で進められています。
吹田市は、令和5年(2023年)6月に吹田警察署と連携協定を結びました。子どもや女性、高齢者をはじめとする市民に不安を抱かせる犯罪被害を防ぎ、安全・安心なまちづくりを進めることが目的です。当面は、特殊詐欺の被害を未然に防ぐことなどを重点事項として、啓発や職員研修を行うとされています。
青色防犯パトロールなど地域による見守り活動
地域でも、住民による見守り活動が続けられています。青色防犯パトロール隊は、専用の車で地域を巡回しています。犬の散歩をしながら見守る「わんわんパトロール隊」も活動しています。子どもの見守り隊は、学校やPTAと連携して、ほとんどの地域で活動しています。
市は、新しく青色防犯パトロール隊を結成する団体に、補助金の交付や車両の提供ができる場合があります。活動する団体には、防犯アイテムの提供や、活動中の事故等を補償する保険への加入といった支援もあります。
大学や駅周辺での取り組み
自転車盗の対策では、市内の大学とも連携しました。千里金蘭大学、関西大学、大阪学院大学、大和大学の構内では、学生ボランティアなどがポスターを掲示しました。チラシの配布も行い、自転車の鍵かけを呼びかけました。市の資料(令和元年のデータ)では、被害にあった自転車の半数以上が、鍵をかけていませんでした。
繁華街のある江坂駅周辺では、2026年7月31日の夜に、悪質な客引きを防ぐための啓発パレードも行われました。市、吹田警察署、市内の団体などが連携し、地域住民や事業者へ注意を呼びかけました。
候補の地域でどのような見守り活動が行われているか、市のホームページや自治会で調べてみるとよいでしょう。
吹田市では特殊詐欺対策が大きな課題になっている

特殊詐欺の認知件数の推移
吹田市の特殊詐欺の認知件数は、増加傾向にあります。令和4年(2022年)の115件から、令和5年に130件、令和6年に131件、令和7年に156件となりました。令和6年と令和7年は、豊中市、高槻市、茨木市、箕面市、摂津市、池田市と比べても、最も多い件数です。
ただし、この比較は人口の違いを考慮していません。件数は、事件の発生地で数えたものです。
防犯機能付電話機の購入補助や地域連携など市の対策
こうした状況を受けて、吹田市は令和5年8月から12月まで、「吹田市特殊詐欺集中対策本部」を設置しました。市、警察、事業者、市民が一丸となって、緊急かつ集中的に対策を行うことが目的です。
市職員や警察署員などによるランニングパトロール、駅前での街頭啓発、市内25か所のATMでの警戒・啓発が行われました。ガンバ大阪チアダンスチームも、スペシャルサポーターに任命され、啓発活動に加わりました。
設置期間は令和5年12月末まででしたが、市は引き続き被害の撲滅に向けて取り組むとしています。令和6年5月には、西宮市、尼崎市、豊中市とともに、金融庁へATMの利用制限の厳格化などを求める要望書も提出しました。
出典:吹田市「吹田市における特殊詐欺対策の取組について」
高齢者向けには、防犯機能付電話機等の購入補助があります。
令和8年度の補助は、吹田市に住民登録があり、令和9年3月31日時点で65歳以上となる方などが対象です。対象となる防犯機能付電話機や自動通話録音装置などの購入費用の一部が補助されます。購入日や機器の機能にも条件があるため、申請前に市の案内を確認してください。
令和8年6月末までの累計申請は、2,323件です。令和6年度に申請した799人へのアンケートでは、96.1%が「安心している」と答えました。
ただし、電話機を設置しても、被害を完全に防げるわけではありません。市は、知らない番号には出ないことや、困ったらすぐ電話を切って家族や警察に相談することを呼びかけています。対象や申請方法は、吹田市「防犯機能付電話機等購入補助」で確認できます。
令和7年からは、市内のコンビニエンスストアも「安心安全の都市づくりスポット」として、市・吹田警察署と三位一体で連携しています。特殊詐欺の被害防止や高齢者の見守りなどで協力する取り組みです。
大阪府の条例改正と安まちアプリによる情報提供
大阪府でも、対策が強化されています。大阪府安全なまちづくり条例が改正され、ATMでの高齢者の携帯電話の使用禁止、金融機関による通報、ATMでの振込上限額の設定、電子マネー等の販売時の確認が定められました。令和7年8月と10月に施行されています。
大阪府警の「安まちアプリ」では、特殊詐欺の発生情報や不審者情報などが配信されます。令和8年3月末に「安まちメール」の配信が終わり、現在はアプリのみでの配信です。地区や情報の種類を選んで通知を受け取れるほか、地域の犯罪などを地図上で確認できる防犯マップの機能もあります。
吹田警察署は、警察官や金融機関、息子をかたるオレオレ詐欺や、市役所職員をかたる還付金詐欺が、市内で多発していると注意を呼びかけています。「お金を持ってきて」「キャッシュカードを預かります」といった言葉は、詐欺です。家族と事前に合言葉を決めておくことも、対策の一つです。
吹田市の地域別に見る治安の特徴

この記事で紹介している統計は、市全体の件数です。エリアごとの件数では比べられないため、ここでは特定のエリアを「危険」「安全」と決めつけず、街の構造による違いに注目して紹介します。各エリアの特徴は、親記事「吹田市の住みやすさ」でも解説しています。
JR吹田駅周辺
駅周辺には商業施設や飲食店が集まり、人の往来が多いエリアです。にぎやかな分、夕方から夜にかけての人通りや、駐輪場の利用状況を確認しておくと安心です。
少し離れると落ち着いた住宅街が広がり、坂道のある場所もあります。夜の帰り道の明るさを確かめておきましょう。
JR吹田駅・阪急吹田駅周辺の住みやすさは以下記事で詳しく紹介しています。

江坂
飲食店や商業施設、オフィスが集まる繁華街で、住宅地としてはにぎやかなエリアです。先ほど紹介したとおり、悪質な客引きを防ぐ啓発パレードが行われるなど、防犯意識を高める取り組みも進んでいます。
江坂周辺の住みやすさは以下記事で詳しく紹介しています。

千里山・関大前
関西大学のキャンパスがあり、学生が多いエリアです。先ほど紹介した自転車盗対策の大学連携も、このエリアで行われています。坂道のある場所もあるため、駅から自宅までの道の明るさや人通りも、あわせてチェックしておきましょう。
千里山・関大前周辺の住みやすさは以下記事で詳しく紹介しています。

南千里・山田周辺
千里ニュータウンを中心に、住宅団地やマンションが広がる、緑の多いエリアです。緑の多い住宅地では、日中と夜とで道の雰囲気が変わることもあります。
南千里・山田周辺の住みやすさは以下記事で詳しく紹介しています。

岸辺・健都
JR岸辺駅周辺では、医療・健康関連施設や公園、図書館などが整備された「健都」のまちづくりが進んでいます。新しく整備されたエリアと昔からの住宅地とでは、街並みや人通りも異なります。
岸辺・健都周辺の住みやすさは以下記事で詳しく紹介しています。

子育て世帯が気になる「子どもの安全」は?

通学路の安全点検
子育て世帯にとっては、犯罪だけでなく、登下校中の安全も気になるところです。
吹田市は、平成24年に全国で登下校中の児童が死傷する事故が相次いだことをきっかけに、市内の各小学校の通学路で緊急合同点検を行いました。教育委員会、警察、道路管理者などが連携した点検です。その後、平成27年1月に「通学路交通安全プログラム」を策定しました。
令和元年には未就学児が犠牲となる事故が起きたため、未就学児が集団で移動する経路も含めた「子供の移動経路交通安全プログラム」に改訂しています。小学校と保育幼稚園等は4つのグループに分かれ、各施設は4年に1回、点検を受ける仕組みです。
通学路の安全とあわせて、住所から指定される学校も確認しておきましょう。「吹田市の学区・教育環境」では、通学区域の調べ方や、学区変更を確認するときの注意点を解説しています。

こども110番など地域の見守り活動
登下校の見守りには、地域の力も活用されています。市報すいた令和8年8月号では、8月が「こども110番月間」として紹介されました。
「こども110番の家」は、もしものときに子どもが助けを求められるよう、地域の協力家庭やお店が、目印の旗やステッカーを掲げる取り組みです。ステッカーを貼った車が地域を走る「動くこども110番」もあり、助けを求めてきた子どもの一時保護や、警察への通報を行います。
家庭でも、外出する子どもに防犯ブザーやホイッスルを持たせ、使い方を教えておくことが呼びかけられています。
防犯情報を確認する方法
保護者が身近な犯罪情報を知る手段としては、先ほど紹介した「安まちアプリ」も役立ちます。ひったくりや不審者の情報などを、地区を選んで受け取れます。
吹田市の治安についてよくある質問

吹田市は大阪府内で治安が良い?
「良い」と言い切れる状況ではありません。長い目で見ると犯罪の件数は大きく減ってきましたが、ここ数年は増加傾向にあり、特に特殊詐欺が課題です。件数の推移と市の対策の両方を見て、判断しましょう。
子育て世帯でも安心して暮らせる?
通学路の安全点検、地域の見守り、こども110番など、子どもを守る取り組みがあります。ただし、安心の感じ方は、暮らす場所や家庭によって異なります。候補の物件から学校までの道を、登下校の時間帯に歩いて確かめておくと安心です。
吹田市で注意したい犯罪は?
件数の多さでは自転車盗、近年の増加では特殊詐欺に注意が必要です。住宅を選ぶ際は、件数が比較的少ない空き巣についても、共用廊下に面した窓や戸締まりを確認しておきましょう。
特殊詐欺は、還付金詐欺や、警察官・息子をかたる電話に注意が必要です。自転車盗は、短時間でも鍵をかけることが基本になります。
空き巣は、昼間や夕方の被害が多く、マンションでは共有廊下に面した格子を外す手口が多発していると、吹田警察署が注意を呼びかけています。短時間でも戸締りをして、窓に別の施錠設備をつける二重ロックがすすめられています。
吹田市の防犯情報はどこで確認できる?
大阪府警の「安まちアプリ」で、地区を選んで犯罪や不審者の情報を受け取れます。吹田警察署のホームページでは、特殊詐欺や空き巣などの注意喚起が紹介されています。市の取り組みは、吹田市「防犯・交通安全」で確認できます。
吹田市の治安まとめ

吹田市の犯罪件数は、10年単位で見れば大きく減っています。
令和7年の犯罪件数は令和元年とほぼ同じ水準ですが、令和5年からは2年続けて増えています。件数の増減だけで治安の良し悪しを決めず、犯罪の種類や、住みたい場所の周辺環境も確認することが大切です。
一方で、中身は変わりました。窃盗犯が減り、詐欺が大きく増えています。特殊詐欺の認知件数も増加傾向にあり、大きな課題です。
対策として、「面で守る」防犯カメラの配置、警察・地域・大学との連携、特殊詐欺への補助制度、通学路の点検やこども110番などが進められています。ただし、自転車の施錠や戸締り、電話への警戒など、一人ひとりの備えは欠かせません。
各エリアの治安面に加えて、交通アクセスや買い物環境、子育てのしやすさも比較したい方は、吹田市の住みやすさをまとめた記事をご覧ください。

吹田市に住んだ人の声も参考に
実際に暮らした人の体験からは、街の魅力や日々の暮らしが見えてきます。
吹田市での住まい選びに、次の体験談も参考にしてみてください。
北摂で中古マンションの購入を検討している方へ
北摂エリアで中古マンションの購入を検討している方は、物件探しを始める前に、購入までの流れや予算の決め方を確認しておくことが大切です。
購入前の準備から物件選び、住宅ローン、売買契約まで、初めての中古マンション購入で知っておきたいポイントをまとめています。


