幼い頃に祖父母と眺めたマルーンの電車や、祖父に連れて行ってもらった新幹線。
摂津市の正雀で育ったジローさんにとって、電車のある風景は、家族の思い出と重なる大切な景色です。
今回は、受験勉強をした市民図書館や、帰り道に立ち寄る駅前のお店など、長く親しんできた街の魅力を語っていただきました。
便利に感じるところも、少し残念に思うところも交えながら、今も実家へ通うジローさんの目線で正雀の暮らしを紹介します。
寄稿:ジローさん/摂津市での居住歴:生まれてから結婚まで
摂津市の正雀で育ち、現在は隣の吹田市で妻と愛犬と暮らしているジローさん。
転居から約20年たった今も、正雀の実家へよく足を運んでいます。
祖父母と電車を眺めた幼い頃の思い出や、昔なじみのお店、今も愛着を感じる街の風景を紹介します。
プロフィール
はじめまして。ジローです。
50代の男性で、妻と愛犬と暮らしています。生まれてから結婚するまで、摂津市の正雀で育ちました。
結婚してからはすぐ隣の吹田市側に移りましたが、実家には今もよく顔を出しています。お土産を渡すついでに仕事の行き帰りにふらっと寄ったり、お正月やお盆などの節目に顔を出したり。
住んでいたのは20年ほど前までですが、育った街として、そして今も通う街として、正雀を紹介します。
この街を好きになったきっかけ
この街を好きになったきっかけ、と聞かれると少し困ります。好きになったというより、気づいたら好きだった街だからです。
いちばん古い記憶は、電車です。小学校に入る前、両親が仕事をしていたので、私はしばらく祖父母に預けられていました。退屈してぐずる私をあやすためだったのでしょう。
祖父母はよく正雀駅のそばへ連れて行ってくれました。今はタクシー乗り場になっているあたりから車庫がのぞけて、出入りする電車や、整備を受けている電車を、飽きもせず眺めていたのをうっすら覚えています。
祖父はホンダのカブが愛車で、近くで火事があると、いつの間にかカブと一緒に姿を消している。そんな行動力のある人でした。ごくたまに、そのカブの後ろに私を乗せて、新幹線を見に連れて行ってくれました。
小さな体で乗るカブは、落ちたら一巻の終わり。祖父の背中に必死にしがみついていたのを覚えています。たどり着いた先で見た、今はもう走っていない丸い鼻の新幹線は、どこかとぼけた近所のお兄さんのような顔に見えました。
住んでいて良かったこと
電車好きには、たまらない環境です。
正雀駅のすぐそばには、阪急電鉄の正雀車庫と正雀工場があります。京都線・千里線・嵐山線の車両が集まる車庫で、工場では阪急の全車両の整備を行っています。
阪急の電車の色「マルーン」は、1910年の開業当時から受け継がれている伝統色だそうです。

車庫を眺めるなら、正雀駅の改札を出てすぐのところがおすすめです。正雀駅は線路をまたぐ2階建ての駅で、その通路の窓から、並んだ線路と車両を見渡せます。夕焼けの空の下を電車が出入りしていく光景は、子どもの頃から変わりません。

生活に困らない程度の便利さは、昔からずっとあります。
日々の買い物は、駅の近くのライフやサンディで済みます。子どもの頃にあった店は、今ではほとんど入れ替わりました。
変わらずあるのは、駄菓子屋さんを兼ねたたばこ屋さん。前を通ると、つい懐かしくなります。JR側に下りてすぐのうどん屋さんも昔からのお店で、丼もうどんも安くておいしいです。
面白いのは、顔ぶれは変わっても、駅前には昔からずっと何かしらのテイクアウトのお店があることです。
餃子、握りずし、たこ焼きと移り変わり、今はお好み焼きとたこ焼きのお店。帰り道に少しつまみたいとき、コンビニでは物足りない日に重宝しています。
私のおすすめスポット
摂津市民図書館
正雀駅から歩いて12分ほどのところにある摂津市民図書館は、学生時代の私の勉強部屋でした。当時は2階に自習室があり、高校受験も大学受験も、ここのおかげで乗り切れたと言っても大げさではありません(笑)。
建物は古いものの、本のラインナップは豊富です。今は制度が変わり、吹田市など摂津市以外の北摂の市や町に住む人も、本を借りられるようになっています。

新幹線公園
もうひとつは、鳥飼の新幹線の車両基地の横にある、摂津市の新幹線公園です。
0系新幹線の先頭車両が展示されていて、摂津市によると、毎週日曜日には車内も公開されています。春は桜がきれいで、私もときどきお花見に出かけていました。
子ども連れでも楽しめる場所です。祖父のカブで見に行った、あの丸い鼻の新幹線と同じ0系に、今はここで会えます。
私の好きな休日の過ごし方
休日といっても、実家は今の家からすぐなので、特別な過ごし方があるわけではありません。
あえてひとつ挙げるなら、お正月の初詣です。摂津市三島にある味舌天満宮は、私にとって昔からの地元の神社です。
子どもの頃はよく境内で遊んでいて、毎年初詣に行くたびに、ここでかくれんぼをしたなと思い出します。
正雀駅から阪急大阪梅田駅までは乗り換えなしで約20分。初詣の帰りに、そのまま大阪や京都の街へ足を延ばすのも気軽です。
住んでいて気になること
気になる点も正直に書きます。
駅前広場の計画は、白紙になりました。 正雀駅の東口には、以前、駅前広場(ロータリー)をつくる計画がありましたが、摂津市によると、この計画は白紙になりました(2024年1月時点)。正直、とても残念です。
ただ、それもかえって正雀らしいのかもしれません。駅のまわりには車庫など阪急の施設が多く、良くも悪くも、街の姿はこれからも大きくは変わらないのだろうと思います。なお、東口の道路整備は続けるとされています。
また、正雀駅は普通電車しか停まらず、駅前で遅くまで開いている飲食店も多くありません。
正雀への引っ越しを考えている人へ
北摂の中でも、正雀は地味な、知る人ぞ知る場所だと思います。梅田にも京都にも出やすく、北摂の便利さはそのまま。それでいて駅前は大きく変わらず、住宅街は静かです。
子どもの頃、祖父母に連れられて眺めた車庫の風景は、50年近くたった今もほとんど変わりません。
駅のまわりでは、今日も若いお母さんと小さな子どもが電車を眺めています。懐かしい景色が日常のすぐそばにあると、不思議と気持ちが落ち着きます。
自分が子どもの頃に見た景色を、今の子どもたちも同じように眺めている。変わらない街には、そんなぜいたくがあるのだと思います。この先も、正雀車庫のある風景が、人々の暮らしのそばに残っていてほしいと思います。
子どもと落ち着いて暮らしたい人、特に電車が好きなお子さんのいるご家族におすすめです。住まいを探すときは、ぜひ正雀駅の改札を出たところの窓から、車庫に並ぶマルーンの電車を眺めてみてください。
その他地域に住んだ人の声も参考に
実際に暮らした人の体験からは、街の魅力や日々の暮らしが見えてきます。
摂津市での住まい選びに、次の体験談も参考にしてみてください。
摂津市のことをもっと知りたい方へ
ジローさんの思い出を通して、正雀の電車のある風景や、昔から親しんできた街の様子が見えてきました。
摂津市での住まい探しを考えている方は、市全体の交通アクセスや子育て環境、エリアごとの特徴もあわせて確認してみてください。
詳しくは、「摂津市の住みやすさ」を紹介した記事をご覧ください。


